事件報道時によく聞く「責任能力」、詳しくはどういうこと?
テレビで事件の報道時に「責任能力があるから起訴する」あるいは「責任能力の有無が争点になる」といったフレーズを耳にしませんか?
この「責任能力」という言葉を聞いて、なんとなくは分かるけど、正確な定義までは分からない……という方が多いかと思います。
そこで今回は、責任能力とはどういったものなのか、どのような要素を基に責任能力の有無を決定するのかといった点について解説していきたいと思います。
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■そもそも責任能力とは
そもそも犯罪が成立するためには、構成要件に該当し、その行為が違法で、かつ、有責でなければならない、という公式があります。
構成要件とは、例えば○○罪と規定されている条文の文言です。その文言に該当し、正当防衛などに該当しない違法な行為で、かつ、責任能力を持った状態、つまり、非難可能な人格の状態で行為を行わないと、犯罪にはならないのです。
この責任能力とは、刑法では、事物の是非・善悪を弁別し、かつ、それに従って行動する能力を言い、犯罪が成立するためには、この能力が要求されるのです。この能力を備えて、初めて非難可能となるのです。