認知症の母親が「お前に遺産はやらん」…こんなとき相続は出来ない?
そのため、認知症だからといってストレートに遺言能力が否定されるわけではなく、遺言能力が認められるか否かは、認知症の程度によってケースバイケースということになります。
さらに、一言に遺言といっても、今回のように「遺産を全て相続させる」という簡単なものから、相続人が複数いて財産も多数ある複雑なものまで千差万別です。
簡単な内容であれば、認知症の程度が多少重くても、遺言の内容について理解することが可能な場合があるので、遺言能力が認められる場合があります。
逆に、複雑な内容であれば、認知症の程度が軽くても、遺言の内容を全て理解することが困難な場合があるので、遺言能力が認められない場合もあります。
以上のとおり、認知症の方が書いた遺言の有効性は、認知症の程度と遺言内容(内容の複雑さ)によってケースバイケースで決まるということになります。
*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)
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