【法定刑は死刑のみ】外患誘致罪とは何なのか弁護士が解説
ここにいう武力行使とは国際法上の『敵対行為』をいうとされています。例えば、外国の軍隊が日本の領土に不法侵入した場合や日本の領土を爆撃した場合に敵対行為があったといえます。
日本に攻め込む合意が成立しても、実際に外国が攻め込まなかった場合には、外患誘致罪の未遂となります(刑法87条)。
また、外国との間で合意をするための準備として謀議をしたり計画を立てたりした場合、外患誘致罪の予備または、陰謀として処罰されます(刑法88条)。
この謀議・計画も、単に『攻め込んでもらおう』、『日本なんて外国に滅ぼされればいい』と仲間内で話をしていたというだけでは処罰されません。処罰に値する程度の危険性(具体性)をもった謀議・計画である必要があります。」
■法定刑は死刑のみ
高野倉弁護士:「外患誘致罪の法定刑は死刑のみです。日本において法定刑が『死刑のみ』とされているのは外患誘致罪だけ。国家の存立に重大な脅威を与える罪であることから死刑のみという異例の法定刑とされています。
もっとも、酌量減軽(刑法66条)によって無期懲役や有期懲役に刑が減軽される可能性はあります。」
■裁判例はない
高野倉弁護士:「現在、外患誘致罪の裁判例はありません。