【法定刑は死刑のみ】外患誘致罪とは何なのか弁護士が解説
明治時代に制定された旧刑法の時代から外患誘致罪は存在しますが、外患誘致罪で起訴された事件はありません。
外患誘致罪の適用が検討された事例にゾルゲ事件というものがあります。ソビエト連邦のスパイとされたリヒャルト・ゾルゲについて、外患に関する罪の一種である間諜罪(刑法85条、現在は削除)の適用が検討されたようですが、見送られたようです。条文上、『敵国』に情報を流す行為が、処罰の対象になっていた日ソ不可侵条約を締結していたソビエト連邦は『敵国』ではないとして適用が見送られたとされています。
いずれにせよ、外患誘致罪で裁判になった事件はありません。日本に攻め込むことについて外国との合意をしなければならないことから、外患誘致罪が成立することはまれと思われます。予備・陰謀であっても成立のハードルは極めて高いといえます。」
高野倉弁護士によると、外患誘致罪は日本に居住している人間が外国に対し積極的に『攻め込む』よう影響を与える行為とのこと。
このような行動は日本に住むすべての国民に生命の危機を与え、同時に国家存亡にも影響を及ぼすことになりますので、『死刑』という極めて重い罪となるのも、致し方ないように思えます。