国際的学術誌「Scientific Reports」に論文発表
のリン酸化を介した一酸化窒素(NO)産生量は増加傾向を認め、さらにヒト臍帯動脈内皮細胞(HUVEC)を用いた試験では、重炭酸イオンの存在下でeNOSのリン酸化の促進とNO産生の増加が検出され、加えて活性酸素種(ROS)消去活性は対照群よりも有意に高い結果を得ました。臨床実験では、冷えの自覚症状のある中年の男女を対象に実施した二重盲検ランダム化比較試験を実施し「中性重炭酸イオン水温浴」による体温の上昇効果と冷え症状や睡眠の質に改善効果が認められました。
これらのことから、重炭酸イオンは経皮的に吸収されることで血管内皮への直接作用によりeNOSをリン酸化させ一酸化窒素(NO)産生の促進により血流を促進させることが示され、血行不良に伴う循環器領域における様々な臨床症状の改善への有用性が示唆されました。
近年、低体温は免疫機能を抑制するとされており、「中性重炭酸イオン水温浴」は、健康寿命の延伸にとって重要な利点の一つであると期待されます。
重炭酸イオンによる血流促進効果のメカニズム(概念図)
a溶液中の溶存無機炭素のpHの変化:本研究で使用した重炭酸水や血液はpH7.4(破線)で、その中では溶存無機炭素は重炭酸イオン(HCO3-)