周南市美術博物館で第30回林忠彦賞受賞記念写真展 初沢亜利「東京 二〇二〇、二〇二一。」を開催
(写真集)
「東京 二〇二〇、二〇二一。」は、新型コロナウイルス感染症に見舞われた2年間の東京を捉えた写真集である。目に見えないウイルスを写真家はどう捉えるか。作者は都下のあらゆる場所へ赴きシャッターを切った。人通りの途絶えた街並みや広場、中止になったイベント、そして東京オリンピック。一見淡々と撮影された1コマ1コマは、連続して見ることによってパンデミック下の巨大都市を俯瞰的に描き出している。そして同時に、その根底に潜む人々の感情や社会不安といったものも伝えている。この作品は、今後新型コロナが終息し、その記憶も薄れた頃、当時の東京、日本の姿を赤裸々に伝える、まさに時代を映す写真となるだろう。
初沢亜利「東京 二〇二〇、二〇二一。」(徳間書店)
2020.5.19 北青山3丁目
2020.3.29 上野恩賜公園
2021.4.18 高円寺駅前
2021.8.24 千駄ヶ谷
2021.7.23 国立競技場
受賞者プロフィール
初沢亜利 (はつざわ・あり)
1973年、フランス・パリ生まれ。上智大学文学部社会学科卒。第13期写真ワークショップ・コルプス修了後、イイノ広尾スタジオを経て写真家としての活動を開始する。