2022年2月9日 07:00
81歳の志茂田景樹さんがいま、若い世代に伝えたいこと
こういう根拠がある心配はいいのよ。
子どもの頃はよく杞憂に過ぎない心配をしたもの。明日、太陽が爆発したらどうしよう、とか。
燃え尽きるまで何十億年とかかかる、と教わったけれど、何かの条件が変わって中途爆発することだってあるだろうと案じ、一晩ぐらい眠れなかった。
ただ、その爆発の確率は極めてゼロに近いし、仮に爆発するとしても人間はどうすることもできない。
子ども心にもそんな風に考えられるようになっていたから、一晩の杞憂ですんだのよ。
杞憂は1円にもならん。でも、根拠のある心配はジャンジャン生まれてもいいってことよ。
明後日締め切りで、明日書くことにしている原稿のテーマさえ決まっていない。心配だ。じゃ、今日はテーマだけでも決めておこう。
これなら充分に根拠がある。
ところで、杞憂って気がつかないでいるだけで、みんな、いろんな杞憂をしているぜ。
今日は大事な初デート。絶対、約束の場所に約束の時間の20分前に入ろう、と心に決めて家を出てきた。ここまではいいよな。
電車に乗ってから、どこかの駅で人身事故が起きて30分、この電車が止まったらどうしようと不安になる。これが杞憂なのよ。
実際に事故が起きたら、ケータイで相手と連絡を取り合えばいいことだろ。