屋根瓦の全面葺き替え、建物内外の壁の塗り直しをはじめ、経年で傷んだ箇所を修復、嵐山を借景とする往時の美しい姿に甦り、本年10月1日から3年ぶりに公開を再開しました。
鹿王院境内
1.山門
宝幢禅寺の山門として1379年に建立された、鹿王院最古の建造物。「覚雄山」の扁額は足利義満直筆と伝わります。
2.参道
鹿王院の特徴のひとつ、山門から続く長い参道は、紅葉の名所でもあります。都会の喧騒から次第に離れ、静かな禅の世界にいざなってくれる参道です。
3.庫裏・客殿
庫裏は江戸時代前期1660年代の再建、客殿は1890年の再建です。客殿に掲げられた扁額の「鹿王院」の文字も、足利義満直筆と伝わります。
4.庭園
前庭・本庭・後庭があり、舎利殿があり、寺の中心に位置する本庭は、江戸時代初期の作とされる平庭式枯山水苔庭で、1763年の舎利殿移築に合わせ一部が改築されています。
嵐山の峰々を借景に、樹齢300年を越える木斛(もっこく)や、庭園南面の沙羅双樹(さらそうじゅ)など、配置された樹木も庭景を構成する大事な要素になっています。嵐山を借景に、庭と建物が一体となった庭園として、京都市指定名勝となっています。