室龍太 、清水一輝らがたくさんの思いを乗せて届ける 舞台『オサエロ -2024-』
また、特攻隊員たちを見張る憲兵たちも、憎たらしい態度の中に人間らしい情を滲ませる場面が。重く苦しいシーンと明るく楽しいシーンの緩急によって、平和の尊さ、普通の人たちが死を覚悟して戦いに赴かなければならない残酷さが際立っている。
一方で、年上の隊員が若者に投げかけるあたたかい言葉、隊員たちが日本の未来に対する夢を膨らませる様子からは優しさや希望も感じられる。「特攻隊」という悲しい歴史を扱っている物語だが、それだけではないメッセージを受け取ることができるはずだ。室と清水が囲み取材で語ったように、戦争が身近になっている現在だからこそ多くのことを感じ、明日に向かう勇気やエネルギーをもらえるだろう本作を、ぜひ劇場で見届けてほしい。本作は11月4日(月休)までこくみん共済coopホール/スペース・ゼロで上演された後、11⽉14⽇(木)に神戸新聞松方ホールでも公演が行われる。
【あらすじ】
小佐野は「中原」という人物を探していた。
「中原・・・。」
小佐野の祖母が「自分は癌だ」と分かってから、しきりに会いたがっていた人物・・・。
しかし、祖母の死に際にそれは間に合わず、祖母は小佐野に1通の手紙を渡した。