パール兄弟、デビュー40周年は“天から与えられた”原点回帰
意外に思うかもしれませんが、もう作詞家として600曲近く書いてるんですよ。それに自分のための詞が300くらいありますしね。作詞家としては麻生圭子さんとか田口俊さんとか銀色夏生さんとかが一緒の世代なんですが、当時、それ以前のモンスターのような作詞家の方たちの作詞を見ていて、もっと世の中の実相みたいなもの、悩みとか突出した感覚とかが見える詞を書きたいと思ったんですよ。でも、なかなかアイドルでそんな発注はない訳で、結局自分で歌うしかないわけですよね。今でこそ現実がSFを追い越してますが、これまではずっと現実がSFに遅れてた、僕はそれをとにかく歌いたかった。常にオリコンさんのランキングに入りたいという気持ちもないといえば嘘になりますが(笑)。
――パール兄弟の曲には非日常的なリアル感があります。
【サエキけんぞう】今も毎回、悪戦苦闘しながら詞を書いています。
詞はイメージじゃダメなんですよ。イメージが言葉になっていないと駄目なわけで、そういうものを何とか形にするのに苦労しています。
――パール兄弟の再活動は2013年に5人でスタートしましたが、一昨年、キーボードの矢代恒彦さんが亡くなりました。