障がい者へのサポート、「ほっといてくれ!」迷惑ケースも…当事者が言及「サポート不要なら工夫を考えましょう」
全盲の医師・福場将太さん
障害を持つ人に出会った。何らかの手助けをしたほうがいいケースもある一方、当事者からすると別の考えもある。徐々に視野が狭まる病によって32歳で完全に視力を失いながらも、精神科医として10年以上にわたって患者さんの心の病と向き合っている福場将太さんは、「やり過ぎサポートにご用心」と投げかける。初の著書『目の見えない精神科医が、見えなくなって分かったこと』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成して紹介する。
■「あなたが怒ってしまっては、その人はもう誰にも声を掛けなくなるかもしれない」
「社会的弱者」というと、高齢者や障がい者がイメージされることが多いです。そして手助けをしてあげるのが社会正義のように言われます。
視覚障がい者に対しても、路上で見かけたらサポートしてあげようと思ってくださる方は多く、それはとても有り難いことです。しかし、第一部でも少しお話ししましたが、視覚障がい者には、「ベテラン」もいれば、「ビギナー」もいます。
常時サポートが欲しい人もいれば、自分でやれるから基本的にはサポート不要という人もいます。
そして親切心からやってあげたサポートが、実は迷惑だったり的外れだったりして、トラブルになることも少なからずあります。