ラップ、高学歴、キャスター…アイドルの新境地を切り開いてきた櫻井翔 紡ぎ出す“言葉”が応援の原動力に
なんでも対応する今の姿からなかなか想像がつかないが、当時櫻井が背負っていた立ち位置は、順当なアイドルのイメージとは相反するものもあったように感じる。冠番組『ひみつの嵐ちゃん!』(TBS系)のコーナー「マネキンファイブ」で認識された“ダブルパーカー”や“迷彩好き”キャラ。『VS嵐』(フジテレビ系)で露になった運動苦手キャラ…。今思えば、高学歴で完璧なアイドルというスタンスから、敢えて距離を置くように“不完全さ”を強調していた。これは櫻井であったからうまく立ち回れたが、それでも“カッコいい”を成立させていたことは、驚異というべき立ち居振る舞いといえる。実際、FILM CONCERTをフックに広がったファンの感想には、当時の櫻井を想うコメントも多い。
「嵐の中でイケメン王道キャラといえば松本潤さんでした。その松本さんが“2006年から嵐としての手応えを感じ始めた”と話していたのですが、櫻井さんもその辺りからファンのみならず一般でも頭角を現してきたのではないか」と語るのはテレビ誌などで長く嵐の取材を続けてきたメディア研究家の衣輪晋一氏。
「ドラマファンの間では、大きな転機は2002年『木更津キャッツアイ』ではないかと思います。