アライア回顧展: 美と永遠を追求したクチュリエ 【Nahoのおパリ文化回覧帳 vol. 1】
アライアが生前望んでいた、マレの自宅に自身の財団を作ること。
この思いに触れて、彼がこのマレ地区を心から愛していたんだと知りました。
マレ地区と一言で言っても場所によってさまざまな色がありますが、マレ全体で見て共通して言えることがあります。
それは、自由な精神に富み、新旧と異文化が織り混ざったミックスカルチャーであるということ。
トレンド感が高くて新しいお店や人気のレストランが集まる場所でもありますが、中世の名残がある歴史地区であり、ユダヤ人街でもあり、LGBTカルチャーの中心でもあるのです。アライアはチュニジア出身の移民でしたし、異文化やマイノリティーに対して寛容なこのマレ地区が好きだったんだろうな、と。
アライアの生涯は、モードのみならず、アート、演劇、音楽、建築など、あらゆるカルチャーへの愛と情熱に溢れていました。彼のこれまでの作品や収集家として集めたたくさんのコレクションは、アズディン・アライア財団が保管し、今後も展示活動を行なっていくそうです。
そして、モードの世界における若き才能への奨学金提供にも力を注いでいくことも述べられていました。