イギリスの馬たちが、何年もかけて私に教えてくれたこと。【my lovely simple life in London vol.10】
とインストラクターがポーランド人の女性のレッスン中にいっていた。
馬に触った事もなかった日本人の私がイギリスでここまで「馬人間」になったのにはいろんな理由があると思うけれど、馬と私のあいだには「英語」も「日本語」も存在しなかったという事が一番の理由じゃないかなと思う。馬は、私がどこからきていようと、どんな仕事をしてようと、全く関係ないのだ。元気なときも疲れてる時も、ストレスがたまっている時も、落ち込んでいる時も、馬に乗る瞬間にいろんな感情はすべて地面に置き去りにする。馬と私の新しい時間だからだ。
私は何度もマンフライデーや、エドワードの鼻歌を聴いた事がある。インストラクターや馬仲間に「私達には理解できるけど、馬に関係してないひとにはそんなこといわないほうがいいよ」と笑われたけど、まちがいない。彼らはレッスンの最中に上機嫌になると、鼻歌を歌うのだ。
長年つきあっているとそれが聞こえるようになる。最高のひとときだ。
馬とつきあうようになってから、自分には嘘がつけないという事を学んだ。
辛いときはつらいのだ。