2011年8月5日 11:13
カンヌも認めた名女優が語る新作『ハウスメイド』の苦労と苦悩
つまりそれはカメラの前に立つドヨンにとって、多面的な演技が要求されることになる。「撮影現場ではある日はドラマで、ぶったりぶたれたり、ある日はアクションでワイヤーを使ったり、ある日はベッドシーンがあったりと…1日1日があまりにもダイナミックで、まるでひとりで何役もこなしているかのように疲れました」。
さらに彼女は撮影現場で“カンヌも評価した名女優”というプレッシャーとも戦わなければならなかった。「現場では“チョン・ドヨンだったらちゃんとやり遂げる”といった空気があり『私にはできません、苦しいです』といった弱音をはくのが難しかったのです。痛くても笑って、苦しかったら後ろを向いて泣いて…。周囲の人は私が全てを持っているというようなことをおっしゃったり、思ったりされるのですが、自分ではそんな風に感じたことがないし、何を持っているのか自分ではわかりません。出来ないことも多いんです。今回の現場でも、みなさんを失望させないためにいろいろともがいて必死でした」。
「撮影中は、なぜイム・サンス監督の作品に出演しちゃったのかと何度も後悔しました」と笑顔で振り返るドヨンだが、本作の演技については「女優としてこんな風に難しいことに挑める時間が持てたことはとても幸せなことでした」