2012年7月3日 18:09
スペインの映画監督ホセ・ルイス・ゲリンの映画祭を開催
『シルビアのいる街で』(2007)で日本でも熱狂的なファンを獲得したスペインの映画監督ホセ・ルイス・ゲリンの長編作品を一望する映画祭が、27日(金)まで渋谷シアターイメージフォーラムで開催されている。
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上映されているのは、処女長編『ベルタのモチーフ』(1983)から『メカス×ゲリン往復書簡』(2011)までの8本。「映画とは、そこにはないものを見るということ」。そう話すゲリン監督の映画は、無人の風景や人物の後姿からも私たちのイマジネーションが喚起されることをあからさまにする。そして、サイレンスのなかのざわめきや孤独がはらむ豊かさも捉え、差し出す。
「『ベルタのモチーフ』では、映画の撮影隊が忘れられた村に入っていきますが、同じようなことが別な作品でも起こります。ビクトル・エリセ(『ミツバチのささやき』『エル・スール』の名匠)に『まるで幽霊がよみがえってきたような映画だ』と言われたことがあります。映画を通して死者がよみがえる、感情がよみがえる、というわけです。
私の映画は、常に現在と過去…。伝説なり神話なりとの間の緊張感によってかたちづくられています」。彼のフィルムは“亡霊の映画”と呼んでもいいかもしれない。