2012年9月25日 10:40
派手な世界観と小さなドラマ。脚本家が語る『TIGER & BUNNY』の魅力
と振り返る。
そこで出た案は「これまでタイバニを観たことのない人のためにも最初に戻ろう」というもの。さらに冒頭のエピソードを繰り返すだけでなく、新たなドラマやシーンを追加した。本シリーズは、エピソードが進むごとに明かされるセリフや情報によって、人物の立ち位置や印象がガラリと変わる構成の巧みさが大きな魅力だが、西田は「シリーズでも意識したことだったんですけど、あるセリフを追加することで『実は前に言っていたセリフにはこんな意味があったんだ』と思ってもらえる展開が好きなので、本作も“見え方が変わる面白さ”はあると思います」と説明する。
ちなみに本シリーズを初めて接する観客に説明しておくと、本作はヒーローが主人公で、ダイナミックなアクションが随所に登場しながら、とても身近な人間ドラマを描くことで観客を魅了してきた。「アニメーションだけど『実際にこの人いるんじゃないの?』という人物造形をしていきたいですし、派手な世界観の中の“みみっちい話”にこだわって描いていきたい」と笑う西田は、「シリーズが始まる前から“ヒーローと正義感”については自然と出てくるものだから、自分ではもう少し落とし込んだレベルでキャラクターの苦悩を書きたかった」