『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督の最新作『天才スピヴェット』が間もなく公開になる。これまで数々の傑作をおくりだしてきたジュネ監督は、世界各地に熱狂的なファンをもつ映像作家だが、本作では「新しいことにチャレンジしたかった」という。
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映画は、弟の死を機に家族がバラバラになってしまい「自分がいなくなればよかった」と考えている天才少年のスピヴェットが、権威ある科学賞の授賞式に出席するため、家族に内緒でアメリカを横断する様を描いている。
本作はライフ・ラーセンの小説が原作になっているが、ジュネ監督は「この小説を映画化することで、今まで自分がやったことがない新しいことにチャレンジできると思った」と振り返る。「英語のセリフで撮影すること、アメリカの大自然をロケで撮ること、感情というものに真正面から向き合うこと、そして原作本の余白に描かれた絵を3Dを使って描くこと……今までやったことがない新しいことができると思ったのです」。
その中でも“3D撮影”は監督の中で大きなウェイトを占めていたようだ。「私は子どもの頃から“ビューマスター”という立体視の玩具で遊んできたので、3Dに親しみがあるし、立体視が大好きだったんです。