さらに本作は変化の物語でもある。特に影響を与えるのが、三浦貴大扮する大手デバートの服飾担当・藤井。
「監督はすべてを見せることはしないんです」とほほ笑む中谷が秘話を語った。「藤井の登場はあるシーンで終わっています。でも実際の撮影ではもっと登場シーンがあって踏み込んだ表現になっていました。それを監督は編集でカットなさった。さすがだと思いましたね。観る方に想像の余地を残す。
私はとても好きな終わり方です」。カットしたからこそ、より思いが伝わることもある。爽やかなラストに、ふと心が軽く、そして温かくなる。
『繕い裁つ人』
1月31日(土) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
取材・文:望月ふみ
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