劇中でディーンを演じているのは、若き演技派俳優のデイン・デハーン。しかし、ディーンの大ファンだったという彼は最初、この役を演じることに消極的で、監督はデハーンに会う約束をとりつけるのに苦労したそうだ。「ジェームズ・ディーンは彼にとってのアイドルですから、演じたくなかったのかもしれません。しかし、彼はいつも挑戦し続けてきた俳優ですから、この役を演じることは最大の挑戦になります。だから、私と会うまでデインはずっと自分自身と対話を続けていたと思います。実は、僕とデインには共通の友人がいて、メタリカのラーズ・ウルリッヒがデインを説得してくれたんです」
ちなみに監督自身はジェームズ・ディーンの熱狂的なファンではなかったという。「名前は知っていましたが、映画を観ていたわけではありませんでした」。では、監督はなぜ、本作を手がけることになったのだろうか? 「ジェームズ・ディーンは“自由な精神”の象徴だと思っています。
それは誰もが年齢に関係なく持っているものですが、多くの人はそれが表面に出ることはありません。私の写真はいつも緊張感にあふれていますが、私は緊張感にあふれた人に魅了されるのでしょう。この映画を撮ることで、私はジェームズ・ディーンがいかに優れた俳優なのかに気づきました。