二役をうまく演じ分け、新たな魅力を開花させている。ふたりが対峙するシーンでの早替わりの演出も面白い。また娘役トップの舞羽美海は、ルイに目をつけられ、恋人を奪われた女性ルイーズ役。憎しみや悲しみ、フィリップへの同情、愛など様々な想いを表現力豊かに演じている。
さらにダルタニアンを演じる早霧せいなは、これまでコミカルな役柄の印象が強かったが、今回は銃士隊の隊長として、ひとりの人間をストレートに表現。恋人を亡くした苦しみを抱え、ひとり立ち向かっていく様は切なくも男らしい。元三銃士のアトスを演じる未涼亜希、ポルトスの緒月遠麻、アラミスの蓮城まことらもそれぞれに見せ場があり、コミカルな部分とシリアスな部分を緩急つけて演じている。ダルタニアンと三銃士が最後に結束し、スッと決めるポーズはたまらなくカッコいい。
沙央くらまは地下牢獄の司令官役をとびきりコミカルに演じきった。今回の舞台化では、ただシリアスな物語だけでなく、歴史を追いかける上でもわかりやすい演出やユニークな演出を重視し、観客が親しみやすくなる工夫がされているように見えた。一方、第2部『ROYAL STRAIGHT FLASH!!』は、ノンストップのエネルギッシュなショー。