辻仁成、自作の音楽劇で初舞台の堂珍を絶賛。「根性がある」
劇中歌では甘く透き通った声でその心情を見事に増幅させる。村川の真っ直ぐな言葉と演技が好印象で、ふたりの愛の純粋さ、はかなさを際立たせていた。
辻は当初「笑って泣けるコメディ」を準備していたが、東日本大震災の後に脚本、楽曲をすべて書き直したという。「復興に向かっている今、日本人にとって何が大事かを考えました。つらい経験を乗り越えていく人間の強さ、命の尊さを描き、勇気を与えられるようなものを作りたかった。皆が忘れがちになっている未来や希望をもう一度、取り戻せるように」。
苦悩するユウジの背中を優しく押し出すアキの言葉には前向きな希望の光が、情感あふれるメロディにはシンプルでいて強く、あたたかい愛のメッセージがこもる。いつまでも胸に残るそのフレーズをぜひ劇場で確かめて、持ち帰ってほしい。
公演は9月16日(金)から25日(日)まで東京グローブ座にて上演後、10月10日(月・祝)長崎市公会堂にて、10月14日(金)広島市文化交流会館にて、10月15日(土)福岡・キャナルシティ劇場にて、10月21日(金)から23日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて行われる。チケットは発売中。
取材・文上野紀子
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