くらし情報『演劇ならではの視覚化に挑戦! 伊坂幸太郎のデビュー作『オーデュボンの祈り』が舞台に』

演劇ならではの視覚化に挑戦! 伊坂幸太郎のデビュー作『オーデュボンの祈り』が舞台に

キーワードの鳥を効果的に表現した背景幕の映像。ブレヒト幕(=左右に動く幕)を使った素早い舞台転換。それら演劇ならではの手法が化学反応を起こし、荻島という魅惑の地を、見事舞台上に現出させている。それはもちろん、演劇を知り尽くした演出家だからこその成せる業。一番の見どころとしてラサールは、「この難物な伊坂ワールドを、どれだけ僕たちが演劇化しているか」と語っていることからも、その力の入れようをうかがうことができる。

そして荻島をより魅力的に彩っているのが、キャストたち。その役柄同様、まったくと言っていいほど個性の異なる面々だが、それらが組み合わさったときに奏でられるメロディの心地よさに、正直驚かされた。またそれぞれが、個々としての存在感も十分に発揮。
自らの存在意義と真っすぐに向き合った伊藤役の吉沢。かかしに優しさと哀しさの感情を吹き込んだ筒井。ひょうひょうとした中に悲哀をにじませた日比野役の河原。ほかにも石井正則、小林隆、陰山泰など、実力派たちがしっかりと脇を固めている。

やがて、荻島に足りなかったピースがはまり、“大切なもの”が島を満たしていく。だが物語はそれで終わりではない。ラサールはこう語る。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
漫画家・脚本家募集LPバナー 上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.