約3時間、ユルく笑い続けるミュージカル『モンティ・パイソンのスパマロット』開幕
演出の福田が、某昼の番組でタモリに名前のことで何年経ってもからかい続けられるユースケを見て主演に据えたとの思惑どおり、ユースケは威厳ゼロ、オーラゼロの地味すぎるアーサー王を体現した。また王とは真逆のド派手でパンチの効いた湖の貴婦人役には元宝塚の彩吹真央。他のキャストはミュージカルを逆手に取ったようなコントにおかしな歌詞をつけたナンバーが多い中、彩吹の貴婦人は豊かな歌唱力を活かし、唯一ミュージカルらしさを発揮する。だが、真面目に演じるほど失笑が漏れ、会場から笑いと拍手が起きた。また円卓の騎士・ランスロット卿の池田は曲者の敵役にも多数扮して好演。アーサー王の忠実なお伴・パッツィ役のマギーは映画版宜しくココナッツの殻で馬の足音を鳴らし、狂言回しで歴史学者役のムロツヨシとベディヴィア卿役の皆川、ロビン卿の戸次重幸はいずれも後半、別役でも笑いを巻き起こした。手練の役者に交じり健闘したのはデニス・ガラハッド卿役の賀来賢人。間と思い切りの良さに加え、笑いのセンスを存分に感じさせた。
本番前の会見でユースケが「俺達はもうミュージカル以外の仕事はやらんぞ」と彼らしいジョークを交えて豪語する本作は、1月22日(日)