「いろいろなことに挑戦したい」三谷幸喜“初ものづくし”の3つの舞台
「ひとり芝居の堅苦しさを無くしたいというのが、最初からのテーマです。軽くさらっとやって、すごい!というものにしたい。その場で思いついてしゃべっている、そんなハイレベルまでいきたいですね」。文楽は『其礼成心中』(それなりしんじゅう)という新作を書き下ろす。もともと人形劇が好きで、NHKの『三銃士』(2009年10月から5月まで教育テレビで放送された連続人形活劇)を書いた際、文楽を見るようになったという三谷。「笑える文楽にしようと思っています。それが文楽の方たちの希望でもあるので。心中が流行ったせいで商売が傾いてしまった饅頭屋の夫婦の話です。
心中しようとしている恋人たちを、親父が止めに入るって、面白そうだなって」。近松門左衛門が書いた『曾根崎心中』の裏版という設定だ。ただし、自分のことは「外部の人」とあくまで謙虚だ。「ファンとしての視点を大事にしようと思っています。(観客が)文楽で何が見たいかに立ち返りたいですね。それは、歌舞伎、ミュージカル、大河ドラマ、何をやる時にも同じです。そのスタンスは崩さないようにしようと思います」。
“三谷幸喜の初ものづくし3作品”は、三谷版『桜の園』が6月9日(土)