東京セレソンデラックスが解散! 主宰・宅間孝行の胸の内とは?
去年の『わらいのまち』にしろ、ずいぶん前からこの2年間のラインナップはコメディ中心にしようと決めていて。ただ震災があったり、やっぱり今、コメディの持つ役割ってすごく大きい。だからこういう作品をやることは巡り合わせというか、非常に意味のあることなんじゃないかと思います」。
笑いは難しい。そんな考えを多くの作家から聞いてきた。しかし宅間の口から出たのは、「僕は笑いって、そんなに難しいものだとは思っていなくて」という意外な言葉。「僕にとってはもっと親しみやすいというか、そんな高尚なものじゃないと思うんですよね。普段の会話でも、人は自然と相手を笑わそうとしている。
だから僕がよく俳優に言うのは、『お客さんが600人いたら、その600人のお客さんと会話をしてください』ということ。つまりそのお客さんとの空気感だったり、テンポ感を作ることが、コメディをやる上では非常に大事なことだと思うんです」。
宅間はこう言う。「僕は演劇を作っているんじゃなくて、エンターテインメントを作っているつもりなんです」と。「動物園や遊園地にも負けないエンターテインメントを作ることで、お客さんの間口はもっと広くなるはず」。解散公演にして宅間は、あくまで前向きな挑戦を続ける。