しんみりするシーンでは、早くも会場のあちこちからすすり泣きが聞こえていた。
続いて、観客同様なぜか犬や猫の気持ちが分かる獣医(加藤和樹)の苦悩を描く『シラトリ動物病院へようこそ』、落ちこぼれ学生犬(石田晴香、鎌苅健太、東山、平牧仁)が、老犬(加藤)からドラマ『ごくせん』や『3年B組金八先生』ばりの熱血指導を受ける『犬の卒業』。コミカルな中に、シリアスなテーマが織り込まれている。ここまでの3作には観客との交流コーナーがあり、キャストが客席に降りてきたり、観客をステージに上げてクイズを行ったりと賑やかだ。
最後の『小雪と~』は、ペットOKの住まいを必死に探す飼い主(神永)と、それを気遣う猫2匹の思いを丁寧にたどる。シンプルな設定だからこそ、心に滲みるストーリーだ。猫役は石田・鎌苅で、ヤンキー犬をノリノリで演じた『犬の卒業』から一転、それぞれのキャラクターをじっくりと表現していたのが印象に残った。初日のキャストはいずれも役とハマッていたが、役替わりによってストーリーがどう変化するのかも非常に興味深い。
公演は12月1日(日)まで。会場販売のリピーターチケットでは、ペットの写真提示による割引を実施中。
取材・文:山上裕子
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