リズムに体を揺らし、手拍子をとる音が大きくなり、観客は自然にジルデコの音楽に巻き込まれていた。
「うちの“ちょっとメセニー”です」とkubotaを紹介して始まったパット・メセニーのカバー『so may it secretly begin』に続けて、『INSTinct』『6th HUNCH』『伝わっちゃう』と次々に披露。アップテンポでファンキーな楽曲でもミドルやスローな楽曲でも、曲の世界を伝えるchihiRoの表現力は見事で、まるで歌の登場人物になりきったかのような表情の変化にも驚かせられた。
ライブ後半には、観客も一緒になってコーラスを楽しんだ『ジオメトリックな恋人』や楽器陣のソロパートも見応えのあった『Freedom Express』、クリーントーンのワウギターの音色が印象的だった『Nightswimming』、大人のメルヘンを感じられた『メッセージ』が続き、彼らの音楽的な懐の深さと鍛え上げられた演奏力を存分に感じられた。本編最後には、EGO-WRAPPIN’の森雅樹がアレンジを担当したことでも話題となった『光の子どもたち』を演奏。この曲で愛おしいファンのことを“光の子ども”に例えたというchihiRoだが、ステージ上で歌っている彼女自身が子どものように天真爛漫に楽しんでいるのが伝わる笑顔だった。