劇団「東京マハロ」第14回公演『たぶん世界を救えない』が、まもなく幕を開ける。脚本・演出を手がける主宰の矢島弘一が描くのは、東日本大震災後の原子力発電所近くに暮らす人々の物語。そのなかで、ある家族の高校生の息子を演じるのが百瀬朔だ。ドラマ『仮面ライダー鎧武』などで注目を集めている若手俳優に、意気込みを聞いた。
東京マハロ『たぶん世界を救えない』チケット情報
これまで舞台では、『タンブリングFINAL』や『曇天に笑う』など、同世代俳優と一緒に作り上げる作品が多かった百瀬。大人キャストに囲まれることも、シリアスなストレートプレイに挑むのも、初めてのことだ。「最初はどうしていいか全然わかりませんでした(苦笑)。でも、矢島さんが、そのままでいいよと僕自身を尊重した演出してくださったり、永井大さんをはじめとする周りのキャストの方々も、僕の芝居をそのまま受け止めてくださるので。
僕はもうみなさんに委ねて、勝手に芝居をするぐらいの勢いでやらせていただいています」。
しかしそれでも、演じる高校生の春一は手ごわい役である。祖父は原発誘致を進めたひとり。ゆえに、原発事故も一族はこの切実な現実を受け入れながら生きていくしかない。