くらし情報『タモリさんから始まった落語を変なものにはできません。』

2015年8月19日 16:05

タモリさんから始まった落語を変なものにはできません。

落語の世界のなかに生きる架空の人物を掘り下げるのは<いかに話を盛らずに真実に近づくか>というイズム。今回の「山名屋浦里」でも、花魁や留守居役という侍のリアルに迫るためリサーチを重ねた。

「演劇の世界では”自分を解放する”という稽古方法があるそうですけど、うちの師匠についていたら解放しないほうが難しかった。自分の世界に閉じこもっていたら『なにをカッコつけてんねん!』ですから(笑)。飲みの席では『いけー!』という師匠のひとことで真っ裸になって笑わさないとダメなわけで。でも実は、場がシラけるという経験も積めたのが大きかったんです。若い頃なんて、シラけるのは恥ずかしい。でも、その感覚から目をそむけずに『こういう日もあるよ』と自分の恥ずかしさを認めてあげる。
俳優であろうが落語家であろうが、演じる側の日常が芝居に出るものと僕は思っているんです。そういう意味では、自分を解放することが日常だった師匠との日々から、自然と演じることの本質を教えてもらっていた気がしています」

ふたりの師匠との出会いがなければうまれなかった「山名屋浦里」。実人生を点ではなく線で生きる稀代の芸人は、この秋、江戸時代と現代を線で結ぼうとしている。

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