男女入替劇の美しさと驚き……舞台「夜の姉妹」華麗に開幕
劇団リリパットアーミーII20周年記念のため、劇作家で演出家のわかぎゑふが手がけたゴシックホラーの名作を上演。男女入替劇に山本裕典ら実力派俳優陣が挑む。初日に先駆け、公開ゲネプロが行われた。ここにレビューを届けたい。
舞台『夜の姉妹』チケット情報
真紅が美しいエントランスから一歩入ると広がるのは、瀟洒で整然とした空間──ここは19世紀初頭のドイツ、バーデン大公国の深い森。新聞記者を志す女子学生のリンダ(佐藤永典)に招かれた、『椿姫』作者のアレクサンドル・デュマことアナベル(山本裕典)は秘密の婚約式に参加する。それはなんと、バーデン大公国皇太子ラインハルト(彩乃かなみ)とその子どもを授かった(!)情熱的なイタリア貴族令嬢ローザ(平野良)との誓いの場だった……しかし、この婚礼が血の悲劇を招く。
謎に満ちた哀しみの物語だが登場する者たちは底抜けに楽しい!ゆえに辿り着く結末が切ない。
制服姿の佐藤は理知的で愛らしく、同級生マリア役の原嶋元久がおそろしくキュート!同じく制服姿の宮下雄也はガバッとスカートをたくし上げ大暴れして場をわかし、隣の田中崇士をイジり倒す。
そんな彼女たち(?)を厳しく躾けるのは仏頂面で距離感がおかしい、ヨゼファ役の黄川田将也。