佐渡裕、ウィーンの名門オーケストラを率いて待望の凱旋
佐渡裕(c)PeterRigaud
2015-2016年シーズンより108年の歴史をもつウィーンの名門、トーンキュンストラー管弦楽団の音楽監督に就任した佐渡裕。昨年秋には就任コンサートを成功させ、現地の聴衆を涌かせた。トーンキュンストラーとの縁は、いわば向こうからの「ひと目惚れ」。2013年に客演指揮者として招かれ、団員のアンケートで大部分のメンバーから「また来てほしい」というリクエストがあり、たった一度の共演で次期音楽監督の白羽の矢が当たった。
トーンキュンストラー管弦楽団 来日ツアー情報
「客演のときは3日間練習があって、2曲とも複雑な曲だったんですが、オーケストラの反応がすごく早いなというのが第一印象でした。こちらが注文するとすぐに音が変わる。そして練習の雰囲気がとても健康的なんです。ですから、また客演に呼ばれたら来ようと正直なところ思っていました(笑)」
この楽団が拠点とするウィーン楽友協会の大ホール(黄金のホール)で指揮することは、若き佐渡裕の夢でもあった。
「1988年にウィーンに渡り、生まれて初めて海外生活をしたわけですが、当時は指揮をする場もなく、バーンスタインのアシスタントとして毎日リハーサルを見学していました。