シディ・ラルビのパフォーマンスの魅力を森山未來が熱弁!
彼は仏教のことなどについても造詣が深いのですが、一つひとつの配置や動きに何らかの意味合いが絶対あるんですよね。それをすべてわかる必要はないんですけど、どうしてそういう配置や動きになっているんだろうと想像しながら作品と会話していくのは、クリエイターと観客のお互いにとっていい作用になると思いますし。そこまで考えなくとも、ラルビの驚きと喜びがあふれている作品だと思うので、それを単純に楽しんでもらえたらいいと思います」。
『テヅカ』や『プルートゥ』でともに創作していくなかで、ラルビに敬愛の念を抱いていったという森山。「ダンスを見せるということだけでなく、空間を作っていくという考え方が面白く、その思考の柔軟性にもとても惹かれた」と語る。ラルビが作り出すものには、“ダンス”という言葉では括りきれないものがあるというわけである。この『sutra』も同様だ。「ダンス作品の領域は今、どんどん広がっていて、ラルビはそれをより広げたひとりです。
この作品も間違いなく、観る人の価値観を広げてくれる力強さを持つもの。きっと新しい扉を開いてくれると思います」。日本公演では特別にラルビ自身が主演する。世界に衝撃を与えたパフォーマンスを体感することで何が発見できるか。