くらし情報『ギルバート×都響による新たなマーラー』

ギルバート×都響による新たなマーラー

が存在していた。あれから5年。都響とギルバートの関係はいよいよ本格的な成熟へと向かっている。

都響とマーラーの関係はオーケストラの歴史を紐解いても非常に深く、鉄壁のレパートリーであるだけに、「新しい指揮者」がこれに挑むことには大きな注目が集まる。桂冠指揮者エリアフ・インバル氏が「マーラーの交響曲全曲は、長編小説のような世界です」と語り、2年の年月をかけて2度目のツィクルスを完遂させてからまだ間もない。「都響のマーラー」に大きな愛着を感じているオーディエンスもいるかも知れない。一方、アラン・ギルバートにとっても、マーラーは特別なレパートリーだ。マーラーはニューヨーク・フィルハーモニックの常任指揮者であり、オーケストラの質を向上させ礎を築き、その関係は死の年まで続いた。
時折バーンスタインを思わせるギルバートの「熱い」マーラーは、彼が「御本家」のマーラー指揮者であることを実感させる。指揮者とオーケストラ、どちらにとっても王道の作曲家であるがゆえに、月並みならぬ化学反応が期待できるのだ。

公演は、7月24日(日)・25日(月)、東京・サントリーホール 大ホールにて。

文:小田島久恵(音楽ライター)
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