美輪明宏撮影:御堂義乗
東京では2年ぶりとなる美輪明宏の「音楽会」が9月から始まる。その間、全国で歌いながら、あるいは、子ども番組などのテレビに出演しながら感じ取ってきたことが、今度のプログラムには盛り込まれる予定だ。それぞれの選曲への思いを語る美輪の根底には、人をやさしく見つめる眼差しがあった。
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「今、各地で歌っていて感じるのは、みなさん、心の安寧を求めていらっしゃるということです。目先の欲にかられていると言われようとも、生きるために必要なことを選び取るしかない生きづらい世の中で、みんな生きることに精いっぱいなんだなと感じます。ですから、少しでもみなさんのお役に立てる、心の栄養補給になるような歌をお届けできたらと思っているんです」。2016年の音楽会について、まずそんなふうに語った美輪。ここのところずっと、“生きる”というテーマが自身のなかにあるそうで、今回は、生きる力になる歌を選んでいくつもりだ。
たとえばそのひとつは、美しいメロディを持つ曲。「日本にはかつてきれいな曲がたくさんありました。そういった聴くだけで心が穏やかになるような曲を求めていらっしゃるのがわかるので、古臭いと言われても、歌っていこうと思っているんです」。