知念里奈撮影:福家信哉
世界中で上演され、日本では1992年に初演以来、再演を繰り返してきた人気ミュージカル『ミス・サイゴン』。ベトナム戦争を背景に、ベトナムの少女キムと米兵クリスの出会いと別れを描く物語で、主人公のキムを過去5回にわたって演じたのは、知念里奈だ。その知念が今回は、クリスを愛するもうひとりの女性、妻のエレン役に挑戦している。その心境を聞いた。
ミュージカル「ミス・サイゴン」チケット情報
「2年前の『ミス・サイゴン』の公演で、キムを初めて演じてからちょうど10年が経ちました。いつも彼女を近くに感じながら生きてきましたが、年齢を重ね、私の人生も大きく変化して、17歳の女の子を演じるのが難しくなってきたんですね。2年前に、『やれることは全部やり切った。寂しいけれど大好きなこの作品とはお別れだ』と思って千秋楽を迎えたんです」。
一度、サヨナラしたはずの作品だったが、日本側のスタッフからエレン役のオーディションを受けてみないかと誘われた。
ベトナム戦争のさなかキムとクリスは結ばれるもサイゴン陥落の混乱の中引き裂かれる。アメリカに帰還したクリスは、新たな人生を始めるためアメリカ人のエレンと結婚する。