幸せを呼ぶアダム・クーパーのステップ、待望の再演が開幕
の恋がロマンチックに綴られる。
スクリーン映像を巧妙に差し挟んだ演出が功を奏し、場内を何度も沸かせるが、やはり一番の見どころはとびきり華やかに繰り出されるダンスシーンだ(振付:アンドリュー・ライト)。クーパーはスターながらつねに好奇心でときめく少年のような親近感をにじませて、キャシーとの奇妙な出会いから、再会した彼女をからかう一連の流れを小粋なステップで表現。さらに親友コズモ(ステファン・アネリ)との見事に息の合ったタップダンスで興奮をあおる。コズモのソロ・ナンバー『メイク・エム・ラフ(笑わせろ)』に至っては、アネリの超絶軽妙なパフォーマンスが劇場内の誰をも破顔にした。
多幸感に包まれるなか、ドン、キャシー、コズモによる『グッド・モーニング』のナンバーへ。ミュージカル映画作りに心躍らせる3人が、全身全霊でステージを駆け回る様はなんとも爽快!歌い、踊り終えてバッタリと倒れる3人に向けて拍手喝采が鳴り止まない。ショーストップを引き起こすほどの盛り上がりにクーパーが嬉しそうな笑みをこぼし、コミカルに手振りで客席の熱狂を抑え、芝居を続行する一幕が見られた。
そして待望の、12トンもの雨が降り注ぐ名シーンに突入。