大地真央撮影:源 賀津己
これまで幾度も再演を重ねてきた『ふるあめりかに袖はぬらさじ』。有吉佐和子が杉村春子のために書き下ろし、数々の名優たちが演じてきたこの名作に、大地真央が初めて挑戦する。それも、宝塚歌劇団気鋭の演出家・原田諒演出のもと、音楽劇として立ち上げるという。幕末の三味線芸者・お園が見せる悲喜劇が、大地の魅力を存分に活かして蘇る。
舞台『ふるあめりかに袖はぬらさじ』チケット情報
『ふるあめりかに袖はぬらさじ』が描くのは、幕末の横浜での遊郭の話である。攘夷運動が高まる中、思い合う相手がいながらアメリカ人に見初められてしまった花魁・亀遊が、自ら命を断ってしまうことから物語は始まる。亀遊を思い、この悲劇を客に語って聞かせるようになるお園。だがやがて、“異人を拒んで死んだ攘夷女郎”という虚像ばかりが膨らんでいくことに……。
そこから見えてくる人間のおかしさと悲しさに演じる難しさもある。大地は言う。
「今までいろんなヒロインと言われる人物と出会ってきましたけど、お園さんはちょっと違うといいますか…。世話好きでお調子者でかわいらしくて、それでいて、時代に翻弄されながらもたくましく生きる強さも感じる。