そこで、もともとはどういったものだったんですかと後藤さんにお聞きするところから、今回の作品づくりが始まっていったんです」(河原)。その河原の反応は後藤にとっても非常に嬉しいものだったらしい。「リーダー(河原)と俺は、演劇界のパンクなところから出てきたという共通項があるからか、オリジナルのそのヒリヒリする部分をすごくわかってくれた。だったら元に戻さないと一生後悔すると思って。最初の一文字目から書き直したんです」(後藤)。
そうして今出来上がろうとしているのは、主人公である童話作家が、自分の童話が起こす罪とどう向き合うべきかを問いかけるような話。「今の犯罪を見ていると、自分が犯したことへの責任とか償いということをもっと考えないといけないなと思ったりするんです。だから、お客さんもどんどん共犯者に引きずり込んで、観終わったあとにいろいろ話してもらえたらと思っています」(後藤)。
とはいえ、「7割はコメディーです」と断言する後藤。河原も、「ホラーって油断させてなんぼですから(笑)、入口は愉快な童話がある楽しいエンターテインメントで、急転直下、どうにもやるせない恐怖に持っていければ」と目論む。舞台美術なども「14年前とはガラリと変えるつもり」