舞台「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」撮影:宮川舞子
シェイクスピア悲劇「ハムレット」での端役コンビで、しかも最後は登場さえもさせてもらえず、“ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ…”の一行だけで片付けられてしまった哀しいふたり組“ロズとギル”。この戯曲の一番の魅力は、どうあがいても日の目を見ることのない影の薄い凡庸で憐れなふたり組を描き不条理劇として成立させたこと。
舞台「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」チケット情報
斬新な発想で新たな劇世界を生み出した劇作家トム・ストッパードの金字塔的な作品を気鋭の小川絵梨子が演出。そしてあまたのコンビのなかでも今回は最強とも言える生田斗真=ロズと菅田将暉=ギルの初共演で10月30日(月)開幕した。
上演にあたり、小川は「ロズとギルふたりの旅路は、人が生まれて死んでいくまでの人生そのものです。ふたりの哀しみと可笑しみは、人間の存在そのものなのだと思います。なぜふたりは死ななければならなかったのか……ふたりの哀しい運命と世界の不条理さが、決して重苦しくなく、むしろブラックコメディとして描かれているのが、この戯曲の凄さです。