そして、まさかこんな人おらへんやろと思うような人が昔もいたんやな、人間って変わらへんなというところを面白がっていただく。そのキャラクターをどう味付けするか、どう可愛げのある人物にしていくかが、上方落語の要じゃないかなと思いますね」。
四十周年記念公演に選んだ「地獄八景亡者戯」は、その上方落語の魅力がまさしく堪能できる演目だろう。サバにあたって突然死んでしまった男が冥土の旅の途中でさまざまな亡者に出会い、鬼や閻魔大王など地獄の番人たちも登場する。大師匠である故・桂米朝が作り上げた1時間を超す大ネタだ。明治座では、さらに、「明治座の舞台機構も存分に使って、あの世を体感してもらいたい」というのだから、楽しさ倍増だ。
夜の部は「好きな噺家さんに集まっていただいて、憧れていた口上をやらせていただきます。ただし、ずっと頭を下げて皆が話すのを聞いている普通の口上とは違って、僕もどんどん喋り倒しますから(笑)」と、こちらも期待せずにはいられない。
自らを「笑いの添乗員」という雀々。気持ちよくその世界に引っ張っていける自信があるからこその言葉だろう。観る者はただ身を委ねていればいいだけだ。
公演は2018年2月18日(日)。