東京バレエ団のパートとして新たに加えられた場面も実に様々。躍動感たっぷりの『アレポ』や『バロッコ・ベルカント』のパ・ド・シス、また、同団のプリンシパル、上野水香と柄本弾がバッハの合唱曲で踊る『我々のファウスト』の美しいパ・ド・ドゥなど、見どころの連続だ。
冒頭に対応するように、最後に配されたのが、やはりベートーヴェン。これも『1789…そして私たち』からの抜粋、第九交響曲の第三楽章だ。リハーサル終了後に囲み取材に応じたBBL芸術監督のジル・ロマンは、これについて、「プログラム全体が大きなアンサンブルとなるようなものを作りたかった」と話した。「ベジャールは振付家という枠組みを大きく超えた人物。深い教養があり、日本が大好きで、オペラや演劇、映画なども手がけた。観ればきっと何かを受けとっていただくことができるはず。
ぜひ、劇場に観にきてください」とも。
「ベジャールは師であると同時に、彼の作品を上演する時、常に一緒にいて、私を守ってくれる存在。だから命日の22日も、彼はもちろん来てくれるでしょう!」
モーリス・ベジャール・バレエ団日本公演は11月17日(金)から26日(日)まで、特別合同ガラ〈ベジャール・セレブレーション〉は11月22日(水)・23日(木・祝)、ともに東京文化会館 大ホールにて。チケットは発売中。
取材・文加藤智子