くらし情報『近松門左衛門の血がたぎる舞台『うつろのまこと』開幕!』

2018年6月6日 18:45

近松門左衛門の血がたぎる舞台『うつろのまこと』開幕!

義太夫の語りを台詞と歌で表現する今の広いレンジの歌声と表現の豊かさに唸る。

近松と義太夫のやり取りから、いつしか人形浄瑠璃の劇世界へと移ろう、その“誘い人”は本作の音楽を担当するかみむら周平。かみむら自身によるアナログシンセサイザーの生演奏が、幻想的でありながら、生々しい劇世界を作りあげる。また、時折現れる人形振りも、人形浄瑠璃特有の人形に宿る魂を可視化させる。振付は広崎うらん。

そんな劇世界を生きるのは久保田秀敏、戸谷公人、松井勇歩、大月さゆ、中村龍介ら、男と女の情・義理・誇りに翻弄される人間たちを演じる顔ぶれも実に多彩!

作・演出は歌舞伎をはじめとする古典作品への造詣が深く、人間を描くことに定評のある西森英行。近松が生み出す言霊、近松の創作魂に火をつける義太夫の言葉、物語の根幹をなすものは言葉。そこに劇作家としての真髄を感じる。
そして、いつの世も変わらぬ愚かながら愛おしい人間たちの姿に心打たれ、魂を削るようにして作品を生み出すふたりの壮絶さに打ち震える。舞台という虚構に宿る実(まこと)、これは偉大な先人へのリスペクトであり、今に継承される演劇人の精神なのだろう。

本公演は、【出世の章】を発端に、日替わりで【名残】か【生瓢】を上演する2章上演、もしくは3章連続上演というユニークな上演形式をもつ。

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