純名里沙がギターの名手と贈る大人のためのコンサート
中でも、叙情的なスタンダードナンバーに対して、少しクセのある世界観がほしいと、シンガーソングライターのNUUに相談して出来たという『かわいくてごめんね』が存在感を放つ。ポップな曲調で、突き抜けたワガママさを発揮するのだがどこか憎めない女性像を、純名は生き生きと歌っている。「まずモデルは私じゃないってことはお知らせしておきますね(笑)」と純名は茶目っけたっぷりに断ったうえで、「歌の上でも色んな女性を演じてみたくなって依頼しました。揺れ動いている女性と思ってくださってもいいですし、自由に想像して楽しんでいただければ。それが歌の面白いところですよね」と改めて語った。
その他、オフィスで働く女性をイメージした『ヒールを脱いで』、大人のための子守唄という『子どものように』など、どれも短編映画のような味わいの曲ばかり。「“歌は3分のドラマ”って言いますけど、ライブでも曲に入り込んで歌うのでヘトヘトになっちゃいます(笑)」と純名。真摯に、まっすぐに音楽に向き合う姿勢は昔から変わらない。
「2011年の東日本大震災の後、個人的にも心が落ち込む時期が重なって」(純名)、ここ数年は歌に焦点を絞った活動を続けてきた。