柄本明、石倉三郎らの会話を“感じて”楽しむ「誰もいない国」
若い平埜が柄本、石倉にどう挑むかも見どころだ。有薗が演じるブリグズは、クールに淡々と主人、同僚、来訪者に接するが、途中、凄まじい長ゼリフも披露する。
個性的で一向に噛み合うことのない4人の男たちの会話だが、寺十が「だんだん、先の展開を読む気もなくなってくる」と語る通り、その場、その場でのやり取りを聞くのが、まるでライブで音楽を聴くかのように楽しくなってくる。まさに考えるのでも理解するのでもなく、感じる楽しさを教えてくれる芝居になりそうだ。「誰もいない国」は11月8日(木)より新国立劇場にて開幕。
取材・文:黒豆直樹