イギリスNo.1の大ヒットの『The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry(原題)』が、邦題『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』として、6月7日(金)より公開されることが決定。ポスタービジュアルと特報映像が解禁された。定年退職し、平凡な生活を送るハロルド・フライ。ある日、彼の元に1通の手紙が届く。差出人は、かつての同僚・クイーニーで、ホスピスに入院中の彼女の命はもうすぐ尽きるという。思いがけない突然の手紙に戸惑うハロルドだったが、返事を出そうと家を出て歩き始める。家の近くのポストまで、すぐに戻るはずだった。しかし、ハロルドはある言葉をきっかけに、まさかの旅へと一歩を踏み出す決意をする。目的地までは800キロ。イギリスを縦断する手ぶらの旅は、次第にイギリス中を巻き込む壮大な旅路になっていく。手ぶらで歩き出したハロルドが、どうしても会って伝えたかったクイーニーへの“ある想い”とは…?本作は、世界36か国で刊行され、英国文学最高の賞であるマン・ブッカー賞にノミネート、日本では2014年本屋大賞翻訳小説部門第2位に輝いた傑作小説「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」(亀井よし子訳/講談社文庫)の映画化。主人公、ハロルド・フライを演じるのは、『アイリス』でアカデミー賞とゴールデングローブ賞助演男優賞に輝いたジム・ブロードベント。そして、夫・ハロルドのまさかの行動によって自身も変化していく妻のモーリーンを「ダウントン・アビー」シリーズのペネロープ・ウィルトンが演じ、イギリスを代表する名俳優による演技が光る。解禁された特報映像でも映し出されているように、800キロの旅の途中、ハロルドを包み込むように広がる美しいイギリスの大自然や街並みも見どころの一つ。誰かのために一歩を踏み出すことで、人生がもたらす哀しみ、驚き、喜び、そして愛を再発見する感動作だ。『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』は6月7日(金)より公開。(シネマカフェ編集部)
2024年03月19日朗読劇『ハロルドとモード』の公開ゲネプロが27日に東京・EXシアター六本木で行われ、黒柳徹子、向井康二(Snow Man)、桜井日奈子、片桐仁、渡辺いっけい、戸田恵子が登場した。同作は1971年にアメリカで公開された映画『ハロルドとモード』の舞台化作。ブラックユーモアを随所に散りばめながら、年齢差のあるちょっと変わった2人のラブストーリーと、生きることの楽しさをコメディータッチで描いている。黒柳は79歳のチャーミングな女性・モードを演じる。1977年の来日公演を観劇して出演を熱望し、2020年の公演以降、ライフワーク公演として今年で4度目の上演となる。今回はSnow Manの向井が、モードに恋する19歳の少年・ハロルド役に。2020年公演の生田斗真、2021年公演のジャニーズWEST・藤井流星、2022年公演のSexy Zone・佐藤勝利からバトンを受け継いだ。フォトセッションはキャスト6人が揃ったものと、黒柳&向井の2ショットバージョンと2回行われた。向井は手を振り続ける黒柳を気遣い、報道陣に「追加料金取るよ!」と言いながら庇う仕草も。しかし、黒柳の前に出した手を下げられ、たじたじとなっていた。東京公演はEXシアター六本木にて9月28日~10月12日、大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて10月14日~16日。○黒柳徹子 コメント原作も良く、映画にもなり、皆様の好きな作品だけあって、幕が閉じた時、きっと皆さまは良かったと感じていただけると思います。戸田さんは迫力があってステキ!向井君、プライベートの姿からもハロルドにピッタリ!渡辺さん、とっても力強くて、おもしろい!片桐さん、普段の言動からおもしろい!桜井さんは、表情豊かでかわいい!今回の出演者の『ハロルドとモード』をお楽しみください!○向井康二 コメント稽古を通してお芝居の楽しさを感じました。朗読劇は初めてなのでどういうものなのかワクワクもしていましたが、いざやってみるとやはり難しいことがいっぱいで、学ぶことがたくさんあります。さらに、共演者のみなさんの演技が本当に素晴らしくて刺激を毎日もらえました!!稽古場の雰囲気は温かくてとても楽しいです。戸田さんがよくフルーツを差し入れしてくださり、みんなで一緒に食べたりもしていました。徹子さんが稽古前よく食べているのですが、席が隣なので可愛いなと思いながらこっそり見てます。そんな徹子さんだからこそモードという素敵な女性を自然に演じられるのかなと思います。僕はこの作品が大好きなので、この舞台の一員として参加できることが幸せです。公演を楽しみにしている皆さん。観てもらった後に何か大切なものを皆さんなりに受け取ってもらえたら嬉しいので僕は1公演1公演大事にハロルドを演じたいと思います。劇場まで気をつけてご来場ください!○桜井日奈子 コメント黒柳徹子さんが演じていらっしゃるモードの、常に新しい経験を求める生き方が、私は大好きです。 生きていく中で様々なしがらみを抱え、平坦に生きてしまう、私を含めそんな方は少なくないと思います。 この作品は、人や物に執着しない、モードの型破りな生き方に心躍らされる作品です。 存外面白い芝居をするねと言われる事が今回の目標です。 大ベテランの皆様とご一緒できることを心から感謝して、精一杯頑張ります。○片桐仁 コメント"落語的な演出"とG2さんが仰っていた通り、見ている人の想像力をかき立てる朗読劇になっていると思います。僕は役柄ごとに着替えるので、普段の演劇に近い感覚でやれるのも面白いです。モードのセリフを黒柳さんが発すると、「普遍的ないいこと言ってるなー」といつも思います。素直な向井くんハロルドとの掛け合いが最高です。早く皆さんにも体感して欲しいです!『こうでなければならない』『こうあるべきた』みたいな、いつも僕たちの周りにある見えない圧力を、軽く吹っ飛ばしてくれる朗読劇だと思います。楽しんでいただけるといいなー○渡辺いっけい コメントちょっと普通ではない2人が出会い、心を通わせていく物語です。稽古を重ねるうちに「普通って一体なんだろう。幸せってなんだろう?」演者である僕自身が色々と考えさせらています。個性の全く違う6人の声がピアノの調べに乗って紡いでいく「朗読劇の名を借りたゲリラ芝居」です。ふっふっふっ。心してご覧ください!○戸田恵子 コメント稽古場では日々の徹子さんのモードの台詞に泣いてばかりでした。聴き入ってしまうと、自分の出番に影響ありと思い、みみを半分塞いでます。こんなゴージャスな朗読劇は無いです。至極の台詞があちこちに散りばめられていて、感動です。どうぞお楽しみに。
2023年09月28日表紙・巻頭特集は、話題の朗読劇「ハロルドとモード」出演/向井康二のプレミアムロンググラビア&インタビュー。愛に飢え、生きることに戸惑う、このうえなくセンシティブな19歳の少年の恋心をどのように捉え、表現しぬくのか。情熱と瑞々しさ溢れるトークを収録!株式会社リイド社(所在地:東京都杉並区、代表取締役社長:齊藤哲人)は2023年9月1日(金曜日)に、映画を中心としたエンターテインメントビジュアルマガジン『パーフェクト・メモワールJ Movie Magazineジェイムービーマガジン Vol.98』を刊行いたしました。J Movie Magazineは、公正な心(Justice)と独自の視点(Judgment)で、 心躍り(Joyful)グッとくる(Just)映画、舞台、ドラマの情報をお届けします。「J Movie Magazine Vol.98」書影【表紙・巻頭特集】朗読劇「ハロルドとモード」独占ロンググラビア&インタビュー向井康二【グラビア&インタビュー】中島健人×山崎育三郎 『おまえの罪を自白しろ』坂東龍汰×宮田俊哉 『バカ塗りの娘』薮 宏太 舞台「ふるあめりかに袖はぬらさじ」萩原利久 『ミステリと言う勿れ』浮所飛貴 「東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ ギフテッド Season1」深田竜生 ドラマ「紅さすライフ」齊藤 工監督×窪田正孝×窪塚洋介 『スイート・マイホーム』【撮り下ろしステージレポート】ジェシー ブロードウェイミュージカル「ビートルジュース」【撮り下ろしライブレポート】なにわ男子 「なにわ男子 LIVE TOUR 2023 ‘POPMALL’」【SHOOTING REPORT】アイナ・ジ・エンド 『キリエのうた』永瀬 廉 『法廷遊戯』松下洸平 ドラマ「潜入捜査官松下洸平」【好評連載】辰巳雄大のボクのMOVIE道…and more!概要雑誌名:パーフェクト・メモワールJ Movie Magazineジェイムービーマガジン Vol.98出版社:リイド社ISBN978-4-8458-6558-1ページ数:フルカラー104ページ判型:A4変型判発売日:2023年9月1日(金曜日)社名: 株式会社リイド社所在地: 〒166-8560 東京都杉並区高円寺北2-3-2代表: 代表取締役社長齊藤哲人創業: 1960年4月設立: 1974年11月事業内容: 出版事業URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年09月01日黒柳徹子のライフワーク公演「ハロルドとモード」の4度目の上演が決定。今年は、「Snow Man」の向井康二が恋人役を務める。自分らしく生きる、破天荒でキュートな79歳の女性・モードと、狂言自殺を繰り返す愛に飢えた19歳の少年・ハロルド。真逆の死生観を持つ2人は、共通の趣味である“赤の他人のお葬式への参列”で、何度か顔を合わせたことにより、仲が深まっていく。パワフルな生き方をするモードに、次第に惹かれていくハロルド。周囲の人々は2人の交際に大反対するが、当人は全く気にしない。そんなある日、生きることの楽しさをモードから学んだハロルドは、モードの80歳の誕生日パーティーを開くが…。1971年にアメリカで公開された映画を舞台化した本作は、ブラックユーモアを随所に散りばめながら、年齢差のあるちょっと変わった2人のラブストーリーと、生きることの楽しさをコメディータッチに描く。チャーミングな女性・モードを演じるのは、1977年の来日公演を観劇して以来、出演を熱望し、2020年の公演で夢を実現させた黒柳さん。これまで、生田斗真(2020年公演)、「ジャニーズWEST」の藤井流星(2021年公演)、「Sexy Zone」の佐藤勝利(2022年公演)が演じてきたモードに恋する少年ハロルド役は、先日放送が終了した「特捜9」で三ツ矢翔平役を務めた向井さんが、フレッシュに演じる。黒柳さんは「今年も魅力的な顔ぶれがご出演くださいます。とても楽しみです」と心境を明かし、「私が『ハロルドとモード』の舞台を最初に見たのは1977年。モードを演じたのは、フランスの名優、ジャン=ルイ・バローの奥さん、マドレーヌ・ルノーでした。その後、文学座の先輩でもあった長岡輝子さんの舞台も見ました。笑いと涙が交錯して、とても印象的で、その時から、私もモードの役を演じてみられたらなと思っていました。ぜひ、ご覧ください。お待ちしています」とコメント。向井さんは「個人で舞台に出演するのは久しぶりです。『ハロルドとモード』は、以前、藤井流星が出演していた時に観劇したことがありますが、その時に皆さんのお芝居にとても感動した思い出があるので、そんな素敵な作品を今年も盛り上げられるように頑張りたいと思いました!」と意気込み、「初めての朗読劇ですので、共演者の皆様からたくさん色々なことを学びたいなと思います!そして、たまにですが声を褒めてもらえることもあり、そんな僕の声でお客様に楽しんでもらえるように精一杯頑張りますので最後まで応援よろしくお願いします!」とメッセージを寄せた。そのほか、桜井日奈子、片桐仁、渡辺いっけい、戸田恵子が、2人の生き様と恋模様を支える。台本・演出はG2。2020年公演時に新たに朗読劇として脚本を書き下ろし、舞台セット、衣装、照明、ピアノの生演奏など意匠を凝らした作品を作り上げる。なお、チケット一般発売は東京公演が8月26日(土)10時、大阪公演は9月18日(月・祝)10時からスタートする。「ハロルドとモード」は9月28日(木)~10月12日(木)EXシアター六本木(東京公演)、10月14日(土)~10月16日(月)森ノ宮ピロティホール(大阪公演)にて上演。(シネマカフェ編集部)
2023年06月21日舞台『ハロルドとモード』が、9月28日(木) から10月12日(木) に東京・EX THEATER ROPPONGI、10月14日(土) から16日(月) に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演されることが決定した。1971年にアメリカで公開された映画『ハロルドとモード』を舞台化した本作は、ブラックユーモアを随所に散りばめながら、年齢差のあるちょっと変わったふたりのラブストーリーと、生きることの楽しさがコメディータッチで描かれる。主役の79歳のチャーミングな女性・モードを演じるのは黒柳徹子。1977年の来日公演を観劇して以来、出演を熱望していた黒柳は、2020年の公演で長年の夢を実現させた。以降、黒柳にとってライフワーク公演として上演を続けており、今年で4度目の上演となる。また、黒柳が演じるモードに恋する19歳の少年・ハロルド役は、Snow Manの向井康二が演じる。2020年公演の生田斗真、2021年公演の藤井流星(ジャニーズWEST)、2022年公演の佐藤勝利(Sexy Zone)からバトンを受け継ぎ、新たなハロルドを作り上げる。さらに、桜井日奈子、片桐仁、渡辺いっけい、戸田恵子といったキャストが顔を揃え、ふたりの生き様と恋模様を脇で支える。上演台本・演出は、これまで数多くの舞台作品の脚本・翻訳・演出を手掛けてきたG2。2020年公演時に新たに朗読劇として脚本を書き下ろし、舞台セット、衣裳、照明、ピアノの生演奏など意匠を凝らした作品を作り上げる。■上演台本・演出:G2 コメント4年前、この作品で初めてお会いして痛感したのは、黒柳徹子さんが「女優」であるということ。物語上の架空の存在である役が、徹子さんの心と体を通すと不思議なことに、確かにそこに存在して、可笑しくも切なくも、ひとつの人間の魂にじかに触れたような気持ちにさせてくれる。朗読劇であるにもかかわらず多くの観客の胸を打つのは、そんな徹子さんの魅力によるのだと思います。毎回異なる出演者が集まって下さってますが、4回目の今年は、とりわけ芸達者なキャストが集まってくれたのではないでしょうか。徹子さんとそんなキャストたちがぶつかりあうことでどんな化学変化が生まれるか、今から楽しみでなりません。キュートな装置、グラマラスな衣装、ハートフルな音楽、そして何よりも出演者の息の合ったやりとり、ちょっぴりブラックなジョークに笑っていただき、そして最後は……。今の時代がどこかで取りこぼし、失ってしまっているけれど、人生にとってなくてはならない……そんな何かがいっぱい詰まった舞台です。どうかお楽しみに。■モード役:黒柳徹子 コメント今年もご好評につき、朗読劇『ハロルドとモード』をやらせていただきます。今年のハロルドはジャニーズの Snow Man の向井康二さんです。今年も魅力的な顔ぶれがご出演くださいます。とても楽しみです。朗読劇は私にとって初めての経験でしたけど、皆さまの想像力をいっぱいにさせる、素晴らしいものだと知りました。装置がなくても、動きがなくても、皆さまの想像力が、それをはるかに上回ると、わかったのです。私が『ハロルドとモード』の舞台を最初に見たのは1977年。モードを演じたのは、フランスの名優、ジャン=ルイ・バローの奥さん、マドレーヌ・ルノーでした。その後、文学座の先輩でもあった長岡輝子さんの舞台も見ました。笑いと涙が交錯して、とても印象的で、その時から、私もモードの役を演じてみられたらなと思っていました。ぜひ、ご覧ください。お待ちしています。■ハロルド役:向井康二(Snow Man)コメント個人で舞台に出演するのは久しぶりです。『ハロルドとモード』は、以前、藤井流星が出演していた時に観劇したことがありますが、その時に皆さんのお芝居にとても感動した思い出があるので、そんな素敵な作品を今年も盛り上げられるように頑張りたいと思いました!このお話が決まる前から黒柳さんのYouTubeを見ていて、とてもユーモアのある素敵な方だなと思っていたので、そんな素敵な方と今回、ラブストーリーを広げていけるのが楽しみです!!ハロルドが求めている愛を僕なりに理解しながら、そして黒柳さん演じるモードとの出会いで人生が変わっていくハロルドを楽しく演じたいです!!初めての朗読劇ですので、共演者の皆様からたくさん色々なことを学びたいなと思います!そして、たまにですが声を褒めてもらえることもあり、そんな僕の声でお客様に楽しんでもらえるように精一杯頑張りますので最後まで応援よろしくお願いします!<公演情報>『ハロルドとモード』作:コリン・ヒギンズ上演台本・演出:G2出演:黒柳徹子 向井康二(Snow Man) 桜井日奈子 片桐仁 渡辺いっけい 戸田恵子【東京公演】9月28日(木) ~10月12日(木) EX THEATER ROPPONGIチケット料金:S席9,800円 / A席8,000円(全席指定・税込)一般発売日:8月26日(土) 10:00~【大阪公演】10月14日(土) ~10月16日(月) 森ノ宮ピロティホールチケット料金:9,800円(全席指定・税込)一般発売日:9月18日(月・祝) 10:00~チケット情報はこちら:( )※受付開始までお待ちください。公式サイト:
2023年06月21日2023年3月25日、26日 第5回 岡山子ども未来ミュージカル「ハロルド!」開催!キービジュアル日本カバヤ・オハヨーホールディングス株式会社(本社:岡山市北区、代表取締役社長:野津基弘)が主催し、2023年3月25日(土)・26日(日)に公演する、第5回 岡山子ども未来ミュージカル「ハロルド!」の子ども出演者が決定しました。また、出演者たちを初めて公の場でお披露目する「子ども出演者お披露目会」を1月15日(日)に開催しましたのでご案内します。第5回公演では、舞台で演じる子ども出演者に加えて、舞台づくりを支える演出部の子どもスタッフを募集。演出部の募集は今回が初めての取り組みです。昨年12月に実施したオーディションには岡山県内在住の小学2年生から19歳までの213名が参加しました。そして厳正なる審査の結果、64名の出演者と演出部スタッフ5名の合計69名が選出・決定しました。1月21日(土)からは、3月の本公演に向けた本格的な稽古がスタートします。節目となる第5回を迎え、さらにスケールアップした第5回岡山子ども未来ミュージカル「ハロルド!」にぜひご期待ください。子ども出演者ヒロインみのり役安倉百萌さんヒロインみのり役氏名安倉 百萌(あくらももえ)生年月日2006年7月8日学年高校1年生出身岡山県岡山市夢・目標舞台女優、歴史の先生、警察官安倉さんコメント「みのり役はずっと憧れていた配役でした。自分でしか表現できないみのり役を演じて、今までにない新しいハロルド!を届けたいと思います」公演概要演目:ハロルド!内容:舞台は現代の岡山県。岡山の自然と人々の営みの豊かさを、小学6年生の主人公が最新のヒューマノイド「ハロルド」とのふれあいを通じて再発見するヒューマン・エンターテイメント。山・川・海、家族と友だち、人間、そしてAIとの出会いや別れから成長していく子どもたちの物語。日時:2023年3月25日(土)昼の部12:30開場 13:00開演夕の部16:00開場 16:30開演3月26日(日)12:30開場 13:00開演場所:おかやま未来ホール(イオンモール岡山5階)主催:日本カバヤ・オハヨーホールディングス株式会社共催:カバヤ食品株式会社/オハヨー乳業株式会社/ライフデザイン・カバヤ株式会社協賛:ワールドインテック/ONE GROUP/岡山放送/サーチファーム・ジャパン/山陽新聞社/中国銀行/テレビせとうち/両備グループ/アスウェル法務事務所/インザフィールズ/OSPホールディングス/岡山ガス/岡山情報ビジネス学院/カバヤ住友会 大工業者一同/岩水開発/北善塔/トマト銀行/永田事務所/ベネッセホールディングス/ ヤマスイグループ/ライフタイムズ/渡邉機設工業協力:おかやまコープ後援:岡山県/岡山市/倉敷市/津山市/総社市/真庭市/勝央町/西粟倉村/岡山県教育委員会/岡山市教育委員会/倉敷市教育委員会/津山市教育委員会/総社市教育委員会/真庭市教育委員会/勝央町教育委員会/西粟倉村教育委員会/岡山県国際交流協会企画制作:オンステージ・ミキ公式サイト : チケット情報一般チケット販売は2023年3月6日(月)10:00からチケットぴあにて販売開始の予定です。(座席料金:1,000円(税込))※新型コロナウイルス感染症の影響により、会場ガイドラインの都合上、発売開始時期の変更及び発売を中止する場合がございます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年01月18日英国不条理演劇の大家であるハロルド・ピンターが描いた舞台『The Birthday Party』が2022年12月17日(土)から新宿シアターモリエールで開幕する。今回の上演は、俳優・北野由大率いる演劇ユニット「僕たち私たち」と、演出家・松森望宏率いる演劇ユニット「CEDAR」が共同で企画したもの。海辺の町でメグ(藤田朋子)とピーティ(大森博史)の家に下宿しているスタンリー(渡邊りょう)。彼の元へ突然、ゴールドバーグ(大鶴義丹)とマッキャン(北野由大)という紳士が訪ねてくる。その2人を避けるスタンリー。その日はスタンリーのバースデイらしく、急遽バースデイパーティをすることに。次第に2人に追い詰められていくスタンリー。なぜ2人はやってきたのか……2人は何者なのか……。「ハロルド・ピンター、すごく面白いです」と切り出すのは、ゴールドバーグ役の大鶴義丹。「やっぱり戯曲は大事だなと改めて思いました。戯曲の面白さで、舞台の面白さが6割、7割ぐらい決まってくる気がする。今回の作品は、一人ひとりがやる芝居はすごくシンプルなんですが、それが積み上がっていくと、人間ドラマの渦ができて、複雑な迷路のような話になっていく。そこがまた面白い」と話す。初の不条理劇に挑戦するメグ役の藤田朋子は「お茶の間臭さが出ている私のような俳優が不条理劇をやっていいのかなという思いがあった」と思いを明かす。「でも企画書からCEDARの熱意を感じたし、稽古では話し合いの時間を長く取ると聞いて。飛び込んでみようと決めた」。稽古でもフラットな関係性で創作をできているといい、「豊かで濃厚な時間を過ごしています。『不条理劇は分からない』と思っている方がいたら、その思いを覆されると思いますし、今まで見てきた不条理劇とは違うものが多分観られると思います」。マッキャン役の北野由大は、演出の松森望宏とともに英国で本作を観たことがあるといい、「言葉は全く分からなかったけれど、面白すぎて2回も観ました」。不条理劇の面白さについて北野は「余白がいっぱいあるんです。余白があるから、役についての想像が広がったり、観た人が自分の人生だったら……と置き換えができたり。普通のお芝居は点と点の距離が近いんですけど、不条理劇は点と点の距離が遠い。それをつなげるのが不条理劇の面白さでもあり、難しさでもあると思います」と語った。公演は12月25日(日)まで。取材・文:五月女菜穂
2022年12月14日鬼才ハロルド・ピンターの傑作『管理人』を小川絵梨子が演出。宿無しの老人デーヴィスのため、アストンは自分の部屋に彼を招き入れる。だがそこにアストンの弟ミックが現れて…という不条理劇だ。そこで出演者のイッセー尾形、木村達成、入野自由の3人に話を訊いた。イッセー演じるデーヴィスは、なかなかの厄介者。しかしさらに一筋縄ではいかない兄弟との関係について、「デーヴィスは力関係で見ていると思います。要は自分がここをねぐらにしていくには、どちらにすり寄ればいいのか。彼は人に対して、ずっといい顔をして生きてきたんでしょうから。それがこの兄弟にはのれんに腕押し(笑)。それによりどんどん思惑からずれていってしまうんですよね」とイッセーは分析する。演じるアストンについて入野は、「どういう人物なのかかなり不明瞭で、一貫してわかりそうでわからない。それはこの兄弟の関係性にしても、不確かな部分が非常に多いと思います。ただその掴みどころのなさが、面白さでもあるんですよね」と読み解く。弟のミックを演じる木村も、「わからないことに誇りを持って、堂々と演じていきたいって気持ちもあります。完全にハロルド・ピンターの術中にはまっていますが(笑)、人間の解釈が追いつかない人って絶対にいますから。でも出来るだけそこに近づきたいとも思うんです」と、意欲を見せる。演出の小川とイッセーは、2年前の『ART』以来の顔合わせ。彼女への強い信頼を、「ただただ小川さんの喜ぶ顔が見たくて、今回のお話をお受けしました(笑)」との言葉に込めたイッセーは、「『ART』の演出方法が非常に明確だったので、今回も僕たち3人に明確に課題を出してくると思います。それをクリアした先になにかがあると信じて、日々の稽古に臨みたいと思います」と続ける。入野と木村は、小川演出を受けるのは今回が初。入野は「小川さんの演出を受けたことがある方の話を聞くと、役者としての発見がたくさんある現場だと。今回はそれにプラスアルファ、『管理人』というこの戯曲を小川さんがどう読み解いていくのか。とても楽しみです」と期待を寄せる。また木村は、「初めましてなので未知数ではありますが、人って出会いによっていろんな変わり方をしていくもの。今回小川さんの演出を受けることで自分がどう変わるのか。すごく楽しみですし、しかもこの作品で挑めるというのが、非常に素敵なことだと思います」と目を輝かせた。取材・文:野上瑠美子
2022年09月20日朗読劇『ハロルドとモード』が、2022年9月29日(木)から10月13日(木)までEXシアター六本木で、10月15日(土)から18日(火)まで大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。黒柳徹子、Sexy Zoneの佐藤勝利らが出演する。朗読劇『ハロルドとモード』が3度目の上演へ『ハロルドとモード』は、1971年にアメリカで公開された映画。79歳の女性と19歳の少年のラブストーリーを描き、ブラックユーモアを織り交ぜた作風が世界中で熱狂的な支持を得た。1977年にはジャン=ルイ・バローの演出により舞台化され、日本でも上演された。また、ドラマリーディングやミュージカルなど、公開から約半世紀経った今でも様々な形で上演され、人々を魅了している。そんな名作『ハロルドとモード』は、数多くの舞台作品の脚本・ 翻 訳・演出を手掛けてきたG2による書き下ろしの朗読劇として、2020年9月に主演・黒柳徹子で上演。舞台セットや衣装、ピアノの生演奏など、朗読劇という枠組みを超えた作品創りで好評を博した。そしてその朗読劇の3度目となる公演が、2022年秋に東京・大阪で再び実施される。『ハロルドとモード』ストーリー自分らしく生きる破天荒な79歳の女性・モード(黒柳徹子)と、狂言自殺を繰り返す愛に飢えた19歳の少年・ハロルド。真逆の死生観を持つ二人が、共通の趣味である“赤の他人のお葬式への参列”で何度か顔を合わせる内に仲が深まり、ハロルドは次第にパワフルな生き方のモードに惹かれてゆく。周囲の人々は二人の交際に猛反対するが、二人はおかまいなし。生きることの楽しさをモードから学んだハロルドは、モードの80歳の誕生日パーティーを開くのだが……?年齢差のある少し変わった恋人たちの姿と、生きることの楽しさを描く。黒柳徹子とSexy Zone佐藤勝利が60歳差の恋人役に■モード(黒柳徹子)…自分らしく生きる破天荒な79歳の女性。演じるのは、海外コメディ・シリーズで長きに渡り主演を務めてきた黒柳徹子だ。「この作品をライフワークにする」という意気込みのもと、3年目の上演に挑む。■ハロルド(佐藤勝利)…モードに恋する19歳の少年。今回は、2020年公演の生田斗真、2021年公演の藤井流星(ジャニ―ズWEST)からバトンを引き継ぐ形でSexy Zoneの佐藤勝利が務める。単独初主演舞台『ブライトン・ビーチ回顧録』で、困難な状況下をひたむきに生きる少年を演じ高く評価された彼が、愛に飢えたハロルドをどう表現するのか、期待が高まる。北乃きい・林田一高・近藤芳正・常盤貴子も出演さらに共演として、北乃きい、文学座の林田一高、近藤芳正、常盤貴子と、若手からベテランまで豪華キャストが脇を固める。公演概要朗読劇『ハロルドとモード』原作:コリン・ヒギンズ上演台本・演出:G2出演:黒柳徹子、佐藤勝利、北乃きい、林田一高、近藤芳正、常盤貴子■東京公演上演期間:2022年9月29日(木)~10月13日(木)会場:EXシアター六本木住所:東京都港区西麻布1-2-9チケット料金:S席9,800円 / A席 8,000円 ※全席指定・未就学児童入場不可チケット発売日:2022年8月27日(土)10:00~取り扱い:・チケットぴあ:公式サイト、セブン-イレブン店頭「マルチコピー機」<Pコード:513-509>・イープラス:公式サイト、ファミリーマート店頭・ローソンチケット:公式サイト、ローソン店頭 / ミニストップ店頭(店内Loppi)<Lコード:32473>■大阪公演上演期間:10月15日(土)~18日(火)会場:森ノ宮ピロティホール住所:大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1-17-5チケット料金:9,800円 ※全席指定・未就学児童入場不可チケット発売日:2022年9月18日(日)10:00~取り扱い:・チケットぴあ:公式サイト、セブン-イレブン店頭「マルチコピー機」<Pコード:513-849>・イープラス:公式サイト、ファミリーマート店頭・ローソンチケット:公式サイト、ローソン店頭 / ミニストップ店頭(店内Loppi) <Lコード:53824>【問い合わせ先】■東京公演:サンライズプロモーション東京TEL:0570-00-3337(平日 12:00~15:00)■大阪公演:キョードーインフォメーションTEL:0570-200-888(月~土 11:00~16:00 / 日祝休業)
2022年07月07日9月29日(木) より東京EXシアター六本木、10月15日(土) より大阪森ノ宮ピロティホールにて『ハロルドとモード』が上演されることが決定した。『ハロルドとモード』は1971年にアメリカで公開された映画で、ブラックユーモアを随所にちりばめながら、年齢差のあるちょっと変わった二人のラブストーリーと生きることの楽しさをコメディータッチに描いた作品。ジャン=ルイ・バローの演出により、妻のマドレーヌ・ルノーがモードを演じ舞台化された後、1977年には同じくバローの劇団の来日公演が実現。その後も、ストレートプレイからドラマリーディング、ミュージカルとキャストや上演形態を変え幾度となく上演されている。2020年9月には、これまで数多くの舞台作品の脚本・翻訳・演出を手掛けてきたG2によって新たに脚本が書き下ろされ、朗読劇として上演。簡素なセットで役者が台本を読み上げるというものではなく、舞台セット、衣裳、照明、ピアノの生演奏など意匠を凝らし、朗読劇という枠組みを超えた作品創りで話題となった。今作で79歳のチャーミングな女性モードを演じるのは、長きにわたり海外コメディシリーズで主演を務めてきた黒柳徹子。本作は1977年の来日公演を観劇して以来、黒柳が出演を熱望していた作品で、2020年の公演で長年の夢を実現させた。「芝居が終わった後も泣き続けていた。喜劇であっても最後には泣くことがある」と語る黒柳自身のライフワーク公演として、今年で3年目の上演となる。黒柳演じるモードに恋する19歳のやんちゃな少年ハロルドを演じるのは、2020年公演の生田斗真、2021年公演のジャニ―ズWEST藤井流星からのバトンを受け継ぎ、昨年上演された『ブライトン・ビーチ回顧録』で初めてストレートプレイに挑み好評を博したSexy Zoneの佐藤勝利。本作が黒柳と初共演となる。そのほか、北乃きい、文学座の林田一高、近藤芳正、常盤貴子と若手からベテランまで豪華キャストが顔を揃え、型破りな二人の生き様と恋模様をお届けする。■上演台本・演出 G2 コメント徹子さんの「どうしても『ハロルドとモード』をやりたい」という熱意に共感し、一昨年、朗読劇としての台本も私が新たに書きおろし「今までにない朗読劇を」のスローガンのもと上演しました。たくさんのお客さまに楽しんで頂きましたが、「朗読劇ではなく、普通の芝居を見ているようだった」という感想が圧倒的に多かったのが印象的でした。また私自身、徹子さんの演じたモードがあまりにもキュートすぎて完全に心を奪われてしまうという事件も起きました。そして今年で早や3回目を迎え、徹子さんの「この作品をライフワークにする」という意気込みの本気度をひしひしと感じ受けとめています。今年も佐藤勝利くん常盤貴子さんなど本当に素敵な俳優さんに集まっていただきました。初志をしっかり貫きながらもより新鮮にを念頭に、今年もキュートな舞台装置、グラマラスな衣装、ハートフルな音楽、そして何よりも才能溢れる俳優たちの息の合ったやりとり、ちょっぴりブラックなジョークの連発に大いに笑っていただき、そして最後は……。人間や人生についてピュアに感じることができる舞台、生きている素晴らしさを実感できる時間をお過ごし頂けるはず。■黒柳徹子 コメント今年もご好評につき、朗読劇『ハロルドとモード』をやらせていただくことになりました。朗読劇は私にとって初めてと言っていい経験でしたが、皆さまの想像力をいっぱいにさせる、素晴らしいものだと知りました。装置がなくとも、動きがなくても、皆さまの想像力がそれをはるかに上回るとわかったのです。おもしろいお婆さんモードと、孤独で「人生死んだ方がまし」と考えている中で、モードに出会い心を許していく青年ハロルドとのラブストーリーです。今回のハロルド役は、Sexy Zone の佐藤勝利さんにお願いいたしました。共演者は、北乃きいさん、林田一高さん、近藤芳正さん、常盤貴子さんです。皆さんと共演できること、とても嬉しく、すごく楽しみにしています。私が、『ハロルドとモード』の舞台を最初に見たのは、1977年。モードを演じたのは、フランスの名優ジャン=ルイ・バローの奥さんのマドレーヌ・ルノーでした。その後、文学座の先輩でもあった長岡輝子さんの舞台も見ましたが、笑いと涙が交錯してとっても印象的でした。その頃からモードを演じてみたいと思っていました。是非、ご覧ください。お待ちしています。それでは、その時に!■佐藤勝利(Sexy Zone)コメント演劇は好きなのですが、演劇的なセットや動きがなく、声だけでその人物を表現する “朗読劇”は初めての挑戦です。自分にとって声だけでその人物を表現出来るということは、お芝居をする上である種の最終形のように思うので、大きな動きがない“朗読劇”という舞台は、新たな自分の表現を探す貴重なきっかけをいただけたと思います。そして今回黒柳徹子さんとご一緒させていただけると伺い、小学生の頃に毎朝、担任の先生が黒柳さんの書かれた「窓ぎわのトットちゃん」を朗読してくれた記憶が鮮明に蘇ってきました。当時先生の声を聞き、トットちゃんがどんな子でどういう風景を見ていたのだろうか、といったことを想像し、素敵な生き方だなぁと思いました。作品自体が魅力的だったのは勿論、今思えば、朗読によって想像力を掻きたてられた初めての経験でした。今でも僕の心に残っている、その朗読。本作でも記憶に残るような朗読劇をお届け出来ればと思っています。<公演情報>『ハロルドとモード』『ハロルドとモード』告知画像作:コリン・ヒギンズ上演台本・演出:G2【出演】黒柳徹子 / 佐藤勝利(Sexy Zone)/ 北乃きい / 林田一高 / 近藤芳正 / 常盤貴子【スタッフ】音楽:荻野清子美術:伊藤雅子照明:沢田祐二音響:高橋巖衣装:十川ヒロコ衣装(黒柳徹子):大野美智子ヘアメイク:冨沢ノボルヘアー(黒柳徹子):松田コウイチメイク(黒柳徹子):MAHIRO演出助手:杉山 恵舞台監督:有馬則純演奏:荻野清子 / 野間美希【東京公演】公演期間:2022年9月29日(木) ~10月13日(木)開場:14:00会場:EXシアター六本木休演日:10月3日(月)、10月7日(金)、10月11日(火)■チケット料金S席:9,800円(税込)A席:8,000円(税込)※全席指定、未就学児童入場不可チケット発売日:8月27日(土) 10:00~チケットはこちら:問合せ:サンライズプロモーション東京0570-00-3337(平日 12:00~15:00)【大阪公演】公演期間 2022年10月15日(土) ~18日(火)開場:14:00会場:森ノ宮ピロティホール■チケット料金9,800円(税込)※全席指定、未就学児童入場不可チケット発売日:9月18日(日) 10:00~チケットはこちら:問合せ:キョードーインフォメーション0570-200-888(月~土 11:00~16:00)※日祝休業公式サイト:
2022年07月04日吉田鋼太郎と柿澤勇人が出演する舞台「スルース ~探偵~」が、来年1月より東京公演を皮切りに上演されることが決定した。イギリスの劇作家アントニー・シェーファーの最高傑作「探偵 スルース」。1970年に英国で発表され、ブロードウェイ版はトニー賞を受賞、1972年にはローレンス・オリヴィエ&マイケル・ケイン主演で映画化され話題に。また2007年には、ノーベル賞作家のハロルド・ピンターが脚本を手掛け、ケネス・ブラナーが監督、マイケル・ケイン&ジュード・ロウという超豪華メンバーで『スルース』として再び映画化もされた。日本でも数々の名優たちによって舞台化されてきたこの傑作ミステリーが2021年、吉田さんの演出で新たに生まれ変わる。著名な作家ワイク役には、蜷川幸雄からバトンを受けた彩の国シェイクスピア・シリーズでも演出家として、芸術監督として手腕を振るう吉田さん。「フランケンシュタイン」「デスノート The Musical」などミュージカルで活躍する柿澤さんが、ワイクの妻の浮気相手ティンドルに扮する。吉田さんは「二人芝居です。柿澤勇人と。6月に幕を開ける筈だった芝居が中止になり、約1年振りの舞台です。1年振りにやる芝居が二人芝居。初めての。で、相手が、やはり幾つかの舞台が中止になり鬱憤を溜めに溜めた狂犬柿澤勇人。不安と緊張が弥が上にも募ります。言い換えれば、武者震いが止まらない、という事です」と心境を明かし、「初めての二人芝居に震え慄く老俳優と、しつこいようですが狂犬柿澤勇人。ご期待ください」と呼びかけている。また、「デスノート The Musical」「アテネのタイモン」や、ドラマ「太陽は動かない」での吉田さんとの共演をふり返りつつ柿澤さんは、「鋼太郎さんは、早くまたお前と芝居がしたい、と常に言ってくれましたが、この『スルース』の上演が決まり、嘘では無かったんだなあと思い、本当に嬉しくとても楽しみです」と言い、「鋼太郎さん曰く、『お前は俺の若いころにそっくり』とのことで、僕は自覚がありませんが、皆さまの目でお確かめ頂けたら幸いです」とコメントしている。ストーリー著名な推理小説家アンドリュー・ワイク(吉田鋼太郎)は、妻の浮気相手であるマイロ・ティンドル(柿澤勇人)を自身の邸宅に呼び出す。不倫ヘの追及を受けるものだと思っていたティンドルに対し、ワイクは意外にも「妻の浪費家ぶりには困っている」、「自分にも愛人がいる」と切り出す。さらにワイクは、ティンドルに自宅の金庫に眠る高価な宝石を盗み出してほしいと提案。そうすることでティンドルは宝石とワイクの妻を手に入れ、ワイクは宝石にかかっている保険金を受け取り愛人と幸せに暮らすことができるのだ、と。提案に乗ったティンドルは、泥棒に扮しワイクの屋敷に侵入するが――。舞台「スルース ~探偵~」東京公演は2021年1月8日(金)~24日(日)新国立劇場小劇場にて上演、ほか地方公演あり。(cinemacafe.net)
2020年12月02日舞台『ハロルドとモード』が、9月28日から10月3日(土)まで東京・EXシアター六本木で、10月14日(水)と15日(木)に大阪・シアター・ドラマシティで上演される。『ハロルドとモード』は、1971年にアメリカで公開された映画。ブラックユーモアを随所にちりばめながら、79歳と19歳という年齢差のあるちょっと変わったふたりのラブストーリーと、生きることの楽しさをコメディタッチに描いた、公開から約半世紀たった現在でも多くのファンを持つ作品だ。1977年にジャン=ルイ・バローの演出により舞台化され、バローの劇団の来日公演も上演。その後もストレートプレイからドラマリーディング、ミュージカルと、キャストや上演形態を変え幾度となく上演され続けてきた。今作では、これまでに数多く脚本・翻訳・演出を手掛けてきたG2が、新たに脚本を書き下ろし朗読劇として上演する。79歳のチャーミングな女性モードを演じるのは黒柳徹子、モードに恋する19歳のやんちゃな少年ハロルドに生田斗真。さらに趣里、浜田信也、相島一之、秋本奈緒美と豪華な顔ぶれ。描かれる型破りなふたりの生き様と恋模様をぜひ劇場で目撃してほしい。●上演台本&演出:G2――稽古の手応えは?黒柳さんはとてもキュート。周囲への気遣いもとても自然で、場がとても和らぎます。斗真くんはとてもナチュラル。芝居へかける静かな情熱を持つジェントルマン。他の皆さんも楽しく、かつ、しっかりと物語空間を創り上げようとする姿勢が素晴らしく、稽古場は私にとって癒やしの場。本番が始まれば、次は客席が癒やし空間に早替わりすることでしょう。――作品の魅力1971年に書かれた原作ですが、今の時代にも古くさくなく新鮮に響くセリフが多く、コロナで疲れた心に、なにか新しい明日へのエネルギーを注ぎ込んでくれるに違いありません。――観客へメッセージ朗読劇ゆえに俳優は動きませんが、どうか、皆さんの想像力をフル稼働してイメージしてみてください。そこには、人生が豊かになる秘訣がいっぱいある、はず。●モード役:黒柳徹子――舞台初共演の生田斗真さんの印象生田さんは、とても大人っぽく男性的なので、私はひきずられっぱなしです。何歳なのかは伺ってないのでわかりませんが、堂々としていて、魅力的です。こういうかたと芝居できてラッキーです。――作品の魅力よほど人間というものを、よくわかってないとこういう脚本は書けないと思います。重たい死というものをひきずりながら軽々と生活していくハロルドとモード。どれだけ明るくやっていけるか、私は79歳のモードより年上になってしまいましたが、まだ、脚本のモードの心の底はわかっていません。面白い脚本ですね。――観客へメッセージ朗読劇の面白さを楽しんでくださいませ。みなさまの想像力を沢山、発揮させてハロルドとモードの関係がどうなっていくのか、笑いながら、はらはらして頂けるとありがたいです。相手役の生田斗真さんが男性らしく、魅力的なので、私は、ひきずられっぱなしです。私は稽古中、毎回、終わりのほうで、胸をつまらせています。●ハロルド役:生田斗真――舞台初共演の黒柳徹子の印象日本にテレビが普及した時から今日に至るまで、たくさんの日本人に愛されて続けている、日本のヒロイン。そんな黒柳徹子さんと恋人役をさせて頂けるなんて夢にも思わなかった事です。稽古場でもいつも可愛いお洋服をお召しになっています。ご自身の信念と誇りを持って毎日を過ごされている姿に沢山のエネルギーと勇気を貰えます。――作品の魅力なんと言っても、黒柳さん演じるモードが可愛らしい事!そして、人生の色々な事を教えてくれるお芝居です。――お客様へメッセージをお願いします。人との接点を持ちにくい現在です。それでもお芝居を求めて劇場に足を運んで下さる皆様に全力でお応えしたいと思います。同じ時代に生きて、同じ空間を共有できる喜びと、舞台に立てる喜びを感じたいです。■公演情報『ハロルドとモード』作:コリン・ヒギンズ上演台本・演出:G2出演:黒柳徹子、生田斗真、趣里、浜田信也、相島一之、秋本奈緒美・東京公演日時:9月28日(月)~10月3日(土)会場:EXシアター六本木・大阪公演日時:10月14日(水)・15日(木)会場:シアター・ドラマシティ
2020年09月30日女優の黒柳徹子が、朗読劇『ハロルドとモード』の主演を務めることが4日、明らかになった。生田斗真が恋人役となる。同作は1971年にアメリカで公開された映画『ハロルドとモード』の舞台化作で、ストレートプレイからドラマリーディング、ミュージカルと、キャストや上演形態を変え幾度となく上演されている名作。自分らしく生きる破天荒な79歳の女性・モード(黒柳)と、狂言自殺を繰り返す愛に飢えた19歳の少年・ハロルド(生田)という、真逆の死生観を持つ2人が、共通の趣味である“赤の他人のお葬式への参列”で出会い、愛を深めていく。今回は、これまでに数多くの舞台作品の脚本・翻訳・演出を手掛けてきたG2が新たに脚本を書き下ろし、朗読劇として上演する。長きにわたり海外コメディ・シリーズで主演を務めてきた黒柳が、朗読劇『ラヴ・レターズ』から1年ぶりの朗読劇に挑み、モードに恋する19歳のやんちゃな少年ハロルドを生田が演じる。黒柳と生田の2人は舞台初共演で、さらに趣里、浜田信也、相島一之、秋本奈緒美と豪華な顔ぶれで、型破りな2人の生き様と恋模様を描く。東京公演はEXシアター六本木にて9月28日~10月3日。大阪公演はシアター・ドラマシティにて10月14日〜15日。○上演台本・演出:G2 コメント原作を拝見してまず思ったことは「これはむしろ朗読劇のほうが面白く表現できる」ということです。ですから今回は「戯曲」というよりも「朗読劇の台本」を強く意識して書きました。コロナのこともあって「手軽に表現できる」オンライン朗読会が数多く発表されていますが、この作品に関してはプロフェッショナル達がガチで朗読劇に取り組む熱い姿勢で臨みたいと考えています。朗読劇の枠を越え、ビジュアル演出や生の音楽演奏などを駆使し、上質のエンターティンメントに仕上げます。本作は人間や人生についてピュアに感じることができる作品。そういう意味でも黒柳徹子さんと生田斗真くんは最高の顔合わせです。今の時代に失われがちな人間性や人と人との絆の大切さを、しっかりと表現して下さるでしょう。また、黒柳徹子さんの舞台と言えばやはり喜劇。やもすれば日本人にはとっつきにくいブラックな笑いを含む原作ですが、そこはあの手この手で、劇場にいらしたお客様に大いに笑って頂くべく数々の作戦をご用意しています。コロナでたまった鬱憤を晴らし、人間の素晴らしさを実感できる時間をお過ごし下さい。○黒柳徹子 コメント昨年は私にとって初めての経験となった朗読劇『ラヴ・レターズ』で、皆さまの想像力をいっぱいにさせる、素晴らしさを知りました。今年は、『ハロルドとモード』を朗読劇でやらせて頂きます。おもしろいお婆さんモードと、青年ハロルドとのラヴストーリーです。お相手のハロルド役を生田斗真さんがやってくださいます。今回の舞台での初共演を私はものすごく楽しみにしています。私が、『ハロルドとモード』の舞台を最初に見たのは1977年。モードを演じたのは、フランスの名優、ジャン=ルイ・バローの奥さんマドレーヌ・ルノーでした。その後、文学座の先輩でもあった長岡輝子さんの舞台も見ましたが、笑いと涙が交錯しとっても印象的でした。芝居が終わっても、私はずっと、泣いてたような気がします。その頃から、私は、モードの役を演じてみたいと思っていました。喜劇でも、最後には、泣く事もあるのです。ぜひ、いらして下さい、お待ちしています。○生田斗真 コメントこのエキセントリックな芝居を黒柳徹子さんと共に出来る事、とても楽しみにしております。しかも! 恋人役だなんて! 夢にも思わなかった出来事です。人生、本当に何が起きるか分からない楽しみがあります。黒柳さんは日本のエンターテイメントの基盤を作り上げてこられたお一人です。その人間力、人を惹きつける魅力の根底にあるものに少しでも触れられたら幸せです。僕自身、今年の春に新型コロナウィルス感染症の影響で出演中の舞台が中止を余儀なくされ、悔しい思いと楽しみにしていた皆さんへの申し訳なさでいっぱいになりました。なんとも言い難い気持ちで、この自粛期間を過ごしていた矢先に今回のお話を頂きました。ある意味リベンジだと思っています。使命感を持って精一杯努めます。皆さんもそろそろお芝居観たいですよね。僕も同じです。観たい!舞台に立ちたい!劇場でお客様と共に今まで溜め込んできた思いを共有出来れば嬉しく思います。皆様どうか呉々も健康には気をつけて。この秋、お互い元気で会いましょう。
2020年08月04日開館からちょうど10年を迎えた東京・杉並区の公共劇場「座・高円寺」に、新たなレパートリーが加わる。ハロルド・ピンターらと並ぶ現代イギリス演劇を代表する劇作家のひとり、エドワード・ボンドが1980年代に描いた『男たちの中で~In the Company of Men~』。今回が日本初演だ。金が唯一の価値であると言われた時代。権力や企業を巡る闘いに巻き込まれていく6人の男たちを描きながら、「人間的であるとはどういうことか」という思索を促すこの作品は、30年以上のタイムラグを超え、現代ニッポンに生きる観客にも刺さるはず。演出は同劇場芸術監督で、ボンドの長編「戦争戯曲集三部作」を手がけ続ける佐藤信。開幕が間近に迫った本作の狙いや、ボンド作品の魅力を尋ねた。日本ではこれまで3作の上演に留まっている“反骨の劇詩人”エドワード・ボンド。「(ジョン・)オズボーンや(アーノルド・)ウェスカーといった人たちと第2次世界大戦後のイギリスの新しい流れの中で一緒に出てきた作家です。その中では一番過激で検閲に引っかかりそうになったりもしたので、それに怒って、早い時期にメインストリームでの活動を辞めてしまった。だからイギリス演劇では、ずっと傍流なんですよ。でも演劇界に大きな影響を与えている人で、ヨーロッパでは新作を書くたびに上演されています」と佐藤。「暴力を描く挑発的な作家」と揶揄されることも。「戦争戯曲集」に続きボンド作品2作目となる佐藤は、作家の意図をこう分析する。「彼自身、イギリスの社会でいえば一番最下層の階級出身で、現実の暴力性みたいなものを濃く描いているところはある。ただその本質にあるのは、「人間性とは何か?」という問いかけだと思います。つまり、誰もが暴力性から逃れられていない。「それはなぜだ?そこから解放された人間なんていないじゃないか」と。「戦争戯曲集」をやっているときにすごく感じたんですが、ギリギリのところでの人間性を描いているという意味では、非常に演劇的な作家かなと思います。言語にならない部分を言語に追い詰めるというのか。“劇詩人”と呼ばれるように、論理を超えたセリフの飛躍が魅力でもある。演劇のテキスト特有の面白さが伝わるようにというのをピンポイントな目標にして、最後まで磨いていきたいと思っています」。もうひとつ佐藤が惹かれているのは、ボンド作品の先見性だ。「書かれてから30年以上経っていながらすごく先見的だなと思うと同時に、実は僕らの社会ってそこから動いていないんだよって。80年代後半が舞台だと、ITもスマホも出てこない。せいぜいポケベルの時代ですからね(笑)。そこから比べると今ものすごく変わったとみんな思っているけど、本質的には何も変わっていません。この作品で描かれているのは、それまで社会のルールをなしていたものが国家から企業、カンパニーに取って代わられ、それが社会の支配構造の根幹にあるということ。すごく先見的な着目点だと思いますね。社会を告発するとき、あの時代に企業買収を使うというのもすごく面白い。しかも新興のスーパーマーケットチェーンが買収の対象として狙うのは、長く狩りの銃を売っていた老舗企業。食料品と武器と両方売る巨大産業にしようという魂胆(笑)。それって一種のグローバリゼーションの抽象性っていうか、実は売るモノはなんだっていいんだというふうに企業が変わってくる象徴でもありますよね。さらに進むと、そこで何が売られているかは一切問題にしない、つまり株のマネージメントだけでいいんだという発想にもなる。そうなってくると、“金が唯一の価値”と言いながら、お金というのも実はそんなに重要なのかどうか。社会の欲望がどこを向いているかわからない状況を描いているところはすごく先見的といえるし、“ああ、80年代から同じ社会を生きていてまだ結論が出せていないんだ”という意味でも(笑)、僕はすごく惹かれる作品なんです」。増税に伴いキャッシュレス化が推奨され、“お金”に対しての実感が薄れ始めている現代人と『男たちの中で』の男たちは、確実にどこか地続きでつながっていそうだ。そんなリアルな題材を用いながら“劇詩人”は、「リアリズムではなしに」社会を描き出す。演劇でしか生み出しえない世界に、植本純米、下総源太朗、千葉哲也、真那胡敬二、龍昇ら板の上で長年闘ってきた頼れるベテランたちが挑む。「まだちゃんとした翻訳も上がっていないときにお願いしたら、みんな一発で引き受けてくれました。ベテランというのもありますが、僕的には芝居にちゃんと向き合ってくれる真正直な俳優たちを集めたかった。だから稽古場の運営はものすごく楽です。作品に関して納得できないことはみんな絶対黙っていないからうるさいですけど(笑)、どんどん対話しながら、最終的に目指しているところに向かって信頼感を持ってできている。俳優同士がリスペクトしあっていることもすごく感じますね」そこに唯一の若手として加わるのが、中心人物・レナードを演じる松田慎也。さいたまネクスト・シアターで故・蜷川幸雄に育てられた彼は、キャスト中ただひとりオーディションを経ての参加だ。「松田さんはオーディションしてみて、柔軟さを感じました。蜷川さんのところとは作り方も大きく違うけれども、実際、稽古に入ってもすごく柔軟でしたね。まず、稽古初日までにセリフを全部覚えてきてほしいと言いました。蜷川さんのところも覚えてからやるんですが、僕がお願いしたのは、“電話帳を覚えるみたいに機械的に覚えてほしい”と。蜷川さんの場合はセリフを入れると同時に各俳優が自分なりのプランを持って稽古場に持ち込むというのを重要視されていたから、そこはやり方が全然違うんですよね。僕の場合はまず機械的に覚えてから、稽古場で口に出して読みながら周りとの関係性とともに作っていく。実際、松田さんは初日にちゃんと全部覚えてきました。それを見て、オジサンたちがちょっと慌ててましたね(笑)」巨大企業を経営する血のつながらない父・オールドフィールドに認められたいレナードは、その思いを周囲の人々に利用され……。ボンドが30年以上前、既に指し示していた未来とは?その“未来”に今生きる私たちは、男たちの闘いのあとに何を思うだろう。『男たちの中で~In the Company of Men~』は、座・高円寺1にて10月18日(金)から27日(日)まで。取材・文:武田吏都
2019年10月16日1975年に芥川比呂志、岸田今日子らを中心に設立され、今も橋爪功や金田明夫、文芸・演出部には森新太郎らを擁する演劇集団円。ベテランから若手までがそろって上演される舞台は、シェイクスピアなどの古典やチェーホフ、イプセンなどの近代劇、また別役実、太田省吾、岩松了、渡辺えり、さらにはハロルド・ピンターやマーティン・マクドナーの現代戯曲までと幅広い。「そこに通底するはずの真に劇的なものは何かを、自由に柔軟に問い続ける」(公式サイトより)という姿勢は、12年ぶりのシェイクスピア作品となる今回の『ヴェニスの商人』でも健在だ。足かけ2年のテキレジ(テキストレジー。上演に際して台本に手を入れること)に挑み、劇中ではシャイロック役を務める金田明夫に話を聞いた。物語は商人であるアントーニオが、友人バサーニオのために高利貸し・シャイロックから金を借りた顛末と、バサーニオとポーシャら複数のカップルの話が並行して展開する。キリスト教徒(アントーニオら)とユダヤ教徒(シャイロック)の対立など、読む者にいくつもの視点を差し出すのがシェイクスピアの特徴だが、金田はあえて「時代も国も設定しない。素舞台に、衣裳もシンプルなジャケットで」と言い切る。「人間が対立している構図なんて、古今東西どこにでもあるでしょう。シンプルな舞台にすることで、お客様もシャイロックかアントーニオか、誰かしらに“ああ、これは自分だ”と投影しやすくなる。シェイクスピアの舞台を観ることに、イタリアだとかイスラエルだとか、もっと言えば日本や韓国、アメリカ……どこの国だというのは関係ないと思うから」と金田はその意図を語る。それでは今回、どこに主軸を置くかというと、「家族ですね」とこちらも即答だ。「これまで何度かシェイクスピアを上演してきたけれど、いつも感じるのは“家族の物語”だということ。シェイクスピアの戯曲は、さまざまなものが複雑に絡み合っているバケモノみたいなホンなので、僕らもつい騙されがちなんだけど(笑)。この作品だって突き詰めれば、結局はシャイロックと娘のジェシカの話なんですよ。あと、ポーシャと死んだ父親の話。それから指輪をめぐる、バサーニオとポーシャの夫婦の話。結局はそこから物語が派生するっていうのは、シェイクスピアだろうがチェーホフだろうが、あの『スター・ウォーズ』だって同じだなって」と金田は笑う。またシェイクスピアが“難解”とされている理由に、独特の長ゼリフがあるのは知られているとおり。金田はこの点もテキレジをしながら、出演者が声に出して読み上げる作業を数カ月前から繰り返し、台本を練り直してきた。長ゼリフを相手の「……」で区切るというのも、金田が考えた工夫の一例だ。「役者というのは不思議なもので、“……”が挟まっていると、そこでちゃんと芝居をするんですよ。そうすると観客の目線も自然に、テレビドラマでいう“パン”(カメラの視点が移動する)して、“クローズアップ”になるでしょう」と金田。「俺、新劇俳優にしちゃ、イヤらしいくらいドラマに出ているからさ」と自虐で笑わせるが、観客を飽きさせることなく、同時に役者の側にも芝居の組み立てをしやすくさせる配慮は、映像と舞台の両方で活躍する金田ならでは。セリフ自体も現代の言い回しだが、よくある“今風”のようにくずしすぎない、ほどよい口語体となっている。「今回の稽古でも言い続けているのは、ひと頃の“新劇”のイメージのような、お客さんを置き去りにした舞台には絶対しないでね、ということ。シェイクスピアって何言ってるか分かんないとか、眠くなるとか言われるけれど、それは違うということを伝えるためにはどうしたらいいか。そこを考えてほしいので」一方で、「せっかく他の商業的な舞台とは違う“新劇”でやっているんだから、お客さんに無理におもねることはしなくていいんじゃないか、と。今回は(座席数が)200人くらいの小屋なんで、セリフも声を張らずに普段の会話のようなトーンでね。それでも濃密に感じられるような空間をお届けしたいと思っています」と語った。最後に改めてシャイロックをどう思うか聞いてみると、「女房が死んだ後、娘をこよなく愛して大切に育てた、ただのオヤジですよ。自分の生きている世界には、相反する組織やイデオロギーがあることも分かっている。そんな世界で質素倹約で暮らして、でも娘にはしっかりと持参金を持たせて、同じユダヤ教徒と幸せな結婚をさせたいというのが唯一の夢だった、ただの男です」とサラリ。口調とは裏腹に、その表情には充実ぶりがにじむ。演劇集団円が贈る『ヴェニスの商人』。その味わいは、劇場で存分に堪能してほしい。東京・吉祥寺シアターにて10月3日から13日まで。取材・文:佐藤さくら
2019年09月30日小川絵梨子が芸術監督に就任し、新シーズンが幕を開けた新国立劇場。10月のカミュ「誤解」(演出/稲葉賀恵)に続き、11月はハロルド・ピンターの「誰もいない国」が寺十吾の演出で上演される。柄本明、石倉三郎、有薗芳記、平埜生成という実力派の俳優陣がそろった稽古場に足を運んだ。【チケット情報はこちら】物語はロンドンの屋敷の一室で展開。舞台上には、ソファや酒のボトルが並んだ棚などが置かれているのだが、特徴的なのは舞台に傾斜がついており、しかもその傾斜の角度が通常とは逆で客席側が高く、奥に行くほど低くなっているということ。ここで、主人のハースト(柄本)、彼と酒場で出会い、家までついてきた自称・詩人のスプーナー(石倉)、この家で暮らすフォスター(平埜)とブリグズ(有薗)の4人が会話を繰り広げ、物語が進んでいく。柄本、石倉は以前から取材の場やトークイベントで、4人が交わす会話の意味や終着点について一貫して「わからない」と語っており、そこにこそ魅力があるとも語っていたが、寺十も「物語が、ある最終目的を目指して進んでいないのが魅力。噛み合わない会話の中で、各々の下心や戦略、嫉妬などが絡み合い、巧みな攻防が展開する」と本作ならではの会話の面白さを明かす。柄本をハースト役にと提案したのは寺十自身だが、その理由は「直感。この本をやる上で“これはどういう意味?”などと聞くことをナンセンスだと思ってくれそうな人だから」とのこと。まさにその見立て通り、稽古場では、時折、寺十が「もう少し強めで」「もっとゆっくり」などとニュアンスを演出する姿は見られたが、意味や行動原理などを話し合ったりすることはない。柄本はたびたびシーンの合間に「いやぁ、意味わかんないね(笑)」と首をひねりつつ、しかし、スタートが掛かると、石倉らと丁々発止のやり取りを繰り広げ、ちょっとした沈黙、リアクションなどが不思議と見る者の笑いを誘う。ハーストは当初、気だるそうにスプーナーの言葉に返事をしていたが、二幕目になると突如、過去の時間か妄想の世界に暮らしているかのように、別人となって熱く語り始める。最初は慇懃な態度でハーストと接していたスプーナーは徐々にズケズケとものを言うようになるが、石倉は江戸っ子のようなべらんめぇ口調でハーストらと“舌戦”を繰り広げる。平埜が演じるフォスターは、寺十いわく「客と芝居の橋渡しを担うポジション」とのことだが、胡散臭い来訪者に警戒心を強めていく。若い平埜が柄本、石倉にどう挑むかも見どころだ。有薗が演じるブリグズは、クールに淡々と主人、同僚、来訪者に接するが、途中、凄まじい長ゼリフも披露する。個性的で一向に噛み合うことのない4人の男たちの会話だが、寺十が「だんだん、先の展開を読む気もなくなってくる」と語る通り、その場、その場でのやり取りを聞くのが、まるでライブで音楽を聴くかのように楽しくなってくる。まさに考えるのでも理解するのでもなく、感じる楽しさを教えてくれる芝居になりそうだ。「誰もいない国」は11月8日(木)より新国立劇場にて開幕。取材・文:黒豆直樹
2018年11月06日ノーベル文学賞受賞作家である劇作家、ハロルド・ピンター。彼の代表作に気鋭の演出家・森新太郎が挑む公演『管理人』が11月26日、東京・シアタートラムにて開幕した。舞台『管理人』チケット情報ピンターといえば、「不条理演劇の大家」という言葉が浮かぶ人も多いだろう。今回の『管理人』は1959年に執筆された初期作品であり、ピンター自身に名声をもたらしたいわば“出世作”ながら、日本での上演は稀という作品。森とともにこのプロジェクトに挑んだのは、溝端淳平、忍成修吾、温水洋一という3人の俳優だ。舞台上には、ガラクタだらけの古びた部屋。ロンドン西部にあるその小さな部屋に、青年・アストン(忍成)は老人・デーヴィス(温水)を連れてくる。住み込みで働いていたレストランをクビになったというデーヴィスに優しい言葉をかけ、部屋に泊めてやるアストン。しかし翌朝、アストンの弟ミック(溝端)が部屋に訪れ、デーヴィスのことを不審者扱いし責め立てる。家の“リフォーマー”であると称するアストンと、“家の所有者”であり兄や将来について苛立ちを抱えているミック。ふたりはそれぞれデーヴィスに「この家の管理人にならないか」と持ちかけるが、彼らの関係性は少しずつ変化していく。アストンの口調は穏やかで、振る舞いも紳士的そのもの。しかし、彼の真意がどこにあるのかはわからない。アストンの存在と部屋の様子のちぐはぐさ、下品さが隠しきれないデーヴィスの振る舞い。不穏な空気が高まりつつあるところに登場するミックは、張り詰めた空気を一気に破る。そして生まれる、新たな緊張。演出の森が今回目指したのは「“笑える”ピンター」だという。緊張と緩和の中に生まれるおかしみ、テンポの良いセリフの応酬と緩急ある演技は、この作品が「不条理劇」であることを時に忘れさせてしまう。演出はもちろん、この戯曲に真正面から立ち向かった俳優陣たちの力も大きいだろう。戯曲が執筆された当時のイギリスは、国際競争力を失い経済は低迷、流入してきた移民たちとの衝突が絶えない時代。セリフの端々にも部屋の外の情勢がにおわされ、降り続く雨の音が“どこにも行きようがない”という状況を訴える。劇世界の持つ閉塞感は、どこか現代日本を生きる私たちが感じるそれと似ている。3人ともが変化を求めながらも、進めないでいる。そう、停滞と安全は紙一重だ。そしてその均衡が壊れるのは大抵些細な、愚かなことがきっかけ。ガラクタだらけの小さな部屋は、まさに“世界そのもの”。名戯曲だからこそ感じられるこの妙と俳優たちの熱演を、ぜひ劇場で確かめてほしい。公演は12月17日(日)まで東京・シアタートラムにて上演後、兵庫を巡演。取材・文:川口有紀
2017年11月27日20世紀後半のイギリスを代表する劇作家、ハロルド・ピンター。彼の代表作『管理人』を溝端淳平、忍成修吾、温水洋一の3人が演じる。職をなくしたばかりの老人と、たまたま老人と知り合いになったある兄弟。3人の関係が緊張感をもって描かれる今作。演出の森新太郎とキャストの初顔合わせの場で、話を聞いた。舞台『管理人』チケット情報「不条理演劇の旗手」とも呼ばれ、難解な印象もあるピンターの作品だが、演出の森は「笑えなくては意味がない」と意外な言葉を口にする。「初めてピンターを読んだときは、正直何が面白いんだかわからなかった。でも、たまたま気分が塞がっているときにこの『管理人』を読んだら、3人の無力な登場人物が身近に思えた。物語がとても自分に寄り添ってくれる感覚があったんです」。ピンターで“笑える”作品を目指す森だが、キャスティングに希望したのが今回の3人。「ピンターを演じるなんて、ふつうの俳優さんなら断りそうなもの。お三方が受けてくれただけでありがたい。しかも今3人が並んでいるところを見たら本当にイメージ通りで、テンションが上がっています」と嬉しそうに話す森。1959年に発表された戯曲は、今回の上演のために翻訳も新しくした。「現代の人の会話調になっていて実にスピーディです」と徐賀世子の新訳にも手ごたえを感じているようだ。人間同士のかけひきや争いをユーモアを交えて描く本作だが、演じる側はどう感じているのか?溝端は「演じるときにはどうしても過去の経験から役を考えて、形作ろうとしてしまう。でも今回はそれがまったく通じない作品という予感がして、大きな挑戦になると思います」と語ると、3人の中で唯一森演出を経験したことのある忍成が「森さんの演出は、大変だけれどくせになる。今回も稽古場で苦労するんだろうけれど、楽しみです」と話す。最年長の温水は「あまり哲学的に考えず、かといって無理に笑わせようとせずに、ふわふわとその場にいられたら。そこで笑いが生まれたらいちばんいいと思います」と自然体だ。森の話した“笑える”というキーワードに反応した溝端が「最初に読んだ時は難しいと思っていたけど、そういえばこの気まずい空気、アンガールズさんの『ジャンガジャンガ』がずっと続いているようなもんですね」と言うと全員から納得の笑いがもれた。「こんな優れた作品があまり日本で上演されていなくてラッキーだった」という森。「そもそも『管理人』という全く劇的な匂いのしないこのタイトルからして大好き(笑)。この地味なタイトルに少しでも惹かれる人は見にきてほしい。そして笑っていただいて、その奥にある切なさを感じてもらえたらいちばんいいなと思います」と締めくくった。ピンターを敬遠しがちな人も知らない人も、純粋に3人の関係を面白く見られる作品になりそうだ。公演は11月26日(日)から12月17日(日)まで東京・シアタートラムにて、その後兵庫で上演。取材・文:釣木文恵
2017年08月29日ノーベル文学賞を受賞したシンガーソングライターのボブ・ディラン(75)が、「以前から予定していた約束がある」ことを理由に12月20日に行われるノーベル賞授賞式を欠席することが発表された。式典を主催するスウェーデン・アカデミーは「ボブ・ディランから個人的な手紙を受け取り、すでに予定されていた約束があるため12月にストックホルムを訪れることができず、そのためノーベル賞授賞式典は欠席すると伝えられました」「彼は名誉に感じていることをまた強調し、個人的に受け取りたかったとしていました」と発表した。アカデミーは受賞式典を欠席する受賞者はディランが初めてではなく、ノーベル文学賞がディランのものであると続けた。「受賞者が欠席することがまれであることは間違いありませんが、例外ではありません。近年でもドリス・レッシングやハロルド・ピンター、エルフリーデ・イェリネクらの受賞者がそれぞれの理由でストックホルムに来ることができませんでした。それでも賞は彼らのものであり、ボブ・ディランも同様です」賞を自ら受けることがないとみられるディランだが、受賞条件を満たすためには式典から半年以内に受賞講演を行う必要がある。「我々はボブ・ディランのノーベル賞受賞講演を楽しみにしています。それが唯一の必要条件であり、2016年12月10日から6カ月以内の講演が必要とされています」そんなディランは受賞が発表されてから2週間も沈黙を続け、折り返しの連絡もしなかったことでアカデミー会員の1人から「失礼で傲慢」呼ばわりされるに至っていた。そしてついにコメントを出した際には「(式典には)もちろん行くさ。できるならね」「信じられないよ。素晴らしいよね。こんなこと誰が夢みたかな?」とその喜びを表していた。(C)BANG Media International
2016年11月18日ボブ・ディランが12月10日(現地時間)に行われるノーベル賞授賞式を欠席することになった。今年のノーベル文学賞にボブを選んだスウェーデン・アカデミーが「前から決まっていた約束があるため行くことができない」というボブからの手紙を受け取ったそうだ。同アカデミー公式サイトが発表した。手紙には「ノーベル賞を受賞できて本当に光栄だ」と受賞への喜びが強調されており、「賞を自分で受け取りに行くことが出来ればよかったのだが…」と授賞式に参加できないことを残念がっている様子もあったそうだ。アカデミーによれば、受賞者が授賞式に参加しないのは珍しいことではあるが、例外ではないという。過去にはドリス・レッシング、ハロルド・ピンター、エルフリーデ・イェリネクらノーベル文学賞受賞者も授賞式に参加しなかったが、ボブと同じで受賞者であることには変わりない。ボブの代理人として誰が賞を受け取るかなどの詳細は、金曜日(現地時間)に明らかになるようだ。受賞者としてボブに求められていることはただ1つ。授賞式の12月10日から6か月以内に「講演」を行うことで、アカデミーはそれを「大変楽しみにしています」と公式サイトに綴っている。(Hiromi Kaku)
2016年11月17日ドラマや映画で活躍する演技派女優・志田未来が、アメリカ演劇界の鬼才、デビッド・マメットの問題作「オレアナ」で初舞台を踏むことが明らかになった。昇進を目前に控え新居の購入も決まり、前途洋々、順風満帆の若き大学教授・ジョン。彼の研究室を一人の女子学生・キャロルが訪れる。教授の授業についていけない彼女は、パニックに陥り、どうか単位を取らせて欲しい、と涙を浮かべて懇願する。教授は、彼女の肩を抱いて慰め、紳士的な態度で相談に応じた。しかし後日、彼女が教授を“セクシャルハラスメント”を理由に大学当局に訴えたことにより、2人の立場は全く逆転する…。1992年に発表した本作は、クライマックス・シーンで思わず「ブラボー」と拍手する者、ブーイングして席を立つ者など観客を騒然とさせてきた。新聞の社会面を始め、マスコミがこぞって取り上げる程の話題となり、その年、海を越えて飛び火し、世界中で上演。ロンドンではマメットの朋友ハロルド・ピンターが演出、パリではキャロル役をフランスを代表する女優シャルロット・ゲ―ンズブールが演ずるなど、世界中で注目のキャスト&スタッフにより、現在も上演され続けている。日本ではパルコ劇場にて、1994年酒井洋子訳、西川信廣演出、長塚京三×若村真由美の出演で上演し、その年の「読売演劇大賞・優秀作品賞」を受賞、1999年には、長塚京三×永作博美の出演で再演されている。今回は、演出に栗山民也を迎え、小田島恒志の新翻訳で装いも新たに16年ぶりに上演。大学教授役には、『ビリギャル』や「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」(TBS)で存在感を発揮する田中哲司。そして女子大生役に、ジョージ・クルーニー主演のディズニー映画『トゥモローランド』で吹き替えを担当するなど、活躍の場を広げ続ける志田未来が本作で初舞台に挑戦する。田中さんは、「『オレアナ』の上演にあたっては、楽しみな気持ちと不安が入り混じった複雑な心境です。11月はまだ先のようで、実は時間がないですから。志田未来ちゃんとは映像で何度か一緒に仕事をしていて、とても信頼を寄せています。稽古場でも舞台上でも助けてくれそうです(笑)」とコメントを寄せた。志田さんは「舞台は、いつかやりたい、やらなくてはと思っていました。このお話を頂いたいまが“その時”なんだと思います。舞台のことは、正直、何も分かりませんが、楽しみたい気持ちでいっぱいです」と喜びを語った。田中さんとの共演についても「ドラマでご一緒させていただきましたが、不思議なオーラのある方だと思います。そんな素晴らしい大先輩から一緒にいいものを創ろうと言っていただいたので、一生懸命頑張ります」と意気込みを語った。舞台「オレアナ」は11月6日(金)よりPARCO劇場ほか全国にて順次上演。(text:cinemacafe.net)
2015年06月11日宝塚歌劇の元星組トップスター柚希礼音の退団後初の舞台が、ブロードウェイの巨匠ハロルド・プリンスが10月から世界に先駆けて日本で初演するミュージカル『プリンス・オブ・ブロードウェイ』に決定した。ミュージカル『プリンス・オブ・ブロードウェイ』チケット情報トニー賞に輝くこと史上最多の21回、『オペラ座の怪人』『エビータ』などで知られる演出家ハロルド・プリンスが自身の人生を描く新作。自らが手がけた数々のヒット作から選んだ珠玉のナンバーで構成するミュージカルショーだ。キャストにはシュラー・ヘンズリー、ラミン・カリムルー、ナンシー・オペル、ケイリー・アン・ヴォーヒーズなど、世界で活躍するミュージカルスターを予定しているが、日本人キャストは柚希ただひとり。大作出演決定にあたり、柚希は「いつかエンターテインメントの本場アメリカで舞台に立ちたいと、宝塚音楽学校に入る前、夢見たことがありました。今回ついにその夢への扉が開く…とワクワクしています。この夢のようなチャンスをいただけたのは、多くのことを学んだ宝塚歌劇団での16年間があってこそ。この道のりは、私にとって決して遠回りではありませんでした。『オペラ座の怪人』を創られたハロルド・プリンス氏をはじめ、ブロードウェイの第一線のクリエイターによる新作で、さらにNY演劇界の主役級の方々とご一緒できるのは身の引き締まる想いです。今回の舞台は、身に余る高い壁への挑戦となることでしょう。しかし宝塚で育まれた何物にも代え難い財産─自分をプロデュースする力、そして努力すればどんな高い壁でも乗り越えられる強い意志─を大きな力として胸に刻み、ブロードウェイに向かって羽ばたきます。プリンス氏の演出が、自分も知らない新たな柚希礼音を引き出してくださることでしょう。また、プリンス氏が私に合う素晴らしいダンスナンバーを選んでくださるとも伺っていて、言葉ではとても言い表せないほど心が躍っています」と喜びを語っている。公演は10月23日(金)から11月22日(日)まで東京・東急シアターオーブ、11月28日(土)から12月10日(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。公演チケットの一般発売は7月25日(土)より。
2015年05月21日新国立劇場の「JAPAN MEETS…-現代劇の系譜をひもとく-」第6弾として上演される『温室』。20世紀を代表するイギリスの劇作家ハロルド・ピンターの脚本を深津篤史が演出する。6月26日(火)の開幕に向けて準備を進めている稽古場を某日訪れた。稽古場では、まず最初に目に入ったセットの存在感に圧倒される。赤と黒のコントラストが美しくも不穏な空気を放つ。『温室』チケット情報描かれるのは病院らしき収容施設でのクリスマスの1日。番号で呼ばれる患者たちについて話す、施設の職員たち。段田安則演じる最高責任者・ルートは権威を傘にきた横柄な男。あまり感情を 見せないが、その裏で何かを企んでいるかのようなギブズ(高橋一生)。そのふたりに取り入るカッツ(小島聖)……。施設という閉ざされた空間の中で、いくつもの思惑が折り重なっていく。約1か月に渡る長い稽古期間もいよいよ大詰め。毎日通し稽古を繰り返しているが、その前に必ず、ゲーム的な要素の入った稽古を行っている。この日も演出の深津が登場するなり、「ニュアンスを外していきましょう」と発言。それに従い、高橋と小島が向かい合い膝をつけるようにして座り手をつなぐと、まったく感情を入れず、棒読みでセリフを交わす。その後は高橋、段田、山中祟の3人のシーンを、シリアスなセリフでも笑みを絶やさずに言うゲーム。橋本淳が審判役となり、少しでも笑顔が消えると指を差して指摘、最後に誰が一番よかったかを判定。橋本が高橋を選ぶのを見て段田が「難しいんだよー!」と嘆く姿に稽古場が笑いに包まれ、空気が和らぐ。通し稽古に入ると、先ほどの棒読みや、笑いながら交わし合ったシーンが見違えるように緊迫感を持って迫ってくる。高橋の冷笑から発せられる不気味さ、翻弄される段田の哀愁……。負荷をかけることでセリフの新鮮さを再発見させようとする深津の目論見の効果は、一目瞭然だ。深津流の趣向はもうひとつある。本番さながらの通し稽古でも、役者がそれぞれ自分で決めた1、2個の単語を発声しないというもの。たとえば高橋ならば「起こる」「殺す」という単語。そのために、ある患者が殺されたことを報告するシーンで、度々セリフに一瞬の空白が入る。本番でその単語が乗ることで、それらのセリフがどう輝きを変えるかが見ものだ。全体を通した大きな演出上の仕掛けが、この作品の不穏な空気、そして登場人物たちの存在の危うさをいっそう際立たせる。公演は6月26日(火)から7月16日(月・祝)まで、新国立劇場・小劇場にて上演。チケットは発売中。取材・文:釣木文恵
2012年06月15日