『クリスマス・オルガンコンサート』がいずみホールにて開催!
と語る。
プログラムは、ヴィタリが一番好きなクリスマスの曲を選んだ。「『主の祈り』は、お客様には失礼かもしれないけれど、祈りの曲なので神様に向かって歌わないといけません。『ホワイト・クリスマス』は、ハリウッドのクリスマス映画を想像できるようなおしゃれな曲なので、その雰囲気に合わせて歌いたい。『オー・ホーリー・ナイト』は、重厚な感じで。『神の御子は今宵しも』は、ラテン語で歌うので、伝統や歴史を感じられると思う」
ヴィタリの多彩な表現力は、豊かな感性にある。その国の言葉が持つ美しさを尊重し、歌に秘められた文化までを引き出すのだ。それは、日本歌曲にも当てはまる。
2008年にマリインスキー劇場の一員として来日して以来、日本に魅了され、日本歌曲も歌っている。「美空ひばりさんが歌っていた『荒城の月』『出船』など、日本に素晴らしいクラシック歌曲があることを知りました。日本語の美しさも」。奈良の春日大社の森に入ると、太古の空気が流れているように感じるという。思わず日本人の面影を感じさせるヴィタリ。そもそもロシア人と日本人には共通点があると言い切る。
「どちらの国も、たいてい悲しい曲が多いですね。悲しさとか苦しさを人前に出さないで、自分の中で苦しんでいる、ひとりでお酒を飲みながら…。