万華鏡のように様々な情景が煌めく。東京ゲゲゲイ歌劇団『黒猫ホテル』稽古場レポ
ゲゲゲイ独特の挑発的でセクシーな動きに引き込まれる。
MIKEYによれば、「私にとって振付に重要なのは音楽とのシンクロ性。そして、歌詞をどう表現するか」。鏡を見ながら作る振付家が多い中、MIKEYは鏡は一切見ず、目を閉じて、頭の中で作っていくという。
やがて、ゲゲゲイメンバー達が着ていた衣裳を脱ぎ捨てて、『Egoist』のナンバーへ。日常のあらゆる場面で曲を着想するというMIKEYだが、この曲は「個人的にすごく悲しい事があって、誰にも会いたくなかった時、心配したお友達が高級ステーキを買ってきてくれて。『食べられない』とは言えなくて頑張って食べたんですけど、これ、友達のエゴなんじゃないかと思った」のがきっかけでできたのだとか。
ゲゲゲイメンバーが赤いピンヒールを履いて現れる。
曲は『ブスの遠吠え』だ。銀のポールを、ある時はマイクスタンドのように、あるいは竹刀のように使うなど、ちょっぴりハードなテイスト。かと思えば『さみしい×1000』では、TUKIがマイクに手を絡ませたり、顔を手で撫でたりと、エロティックな雰囲気を漂わせる……。本作の世界観をMIKEYはこう語る。「最初にタイトルができて、そこからは後づけですが、猫って色々なところにいて、陰からこっちを見ていたりしますよね。