くらし情報『吉原光夫、「光と影がうねる」ジャン・バルジャン役に意欲!』

吉原光夫、「光と影がうねる」ジャン・バルジャン役に意欲!

そして前回の2017年公演で「やっと地に足付き始めた気がします」。

それまで聖人的な印象で描かれてきたバルジャンは2013年から「泥にまみれた“犬”が正しい人になろうとする」新演出に。「当時演出のジョン・ケアードに言われた、常に第六感で神を感じているという点と、(彼を追う警部)ジャベールに銃口を向ける時は『本気で殺そうと思ってください』と言われたことは今も心に残っている」と言う。人間は常にやるかやらないかの選択に迫られ、生きている。「自分は真っ当に生きようとしてきたけど、これまでの選択に間違いはなかったのか。神よ!と、彼は最後まで苦悩し迷っている」。完成形を見せたくないとの思いもあり、「何度演じてもバルジャンはこうだと定まらない。常に光と影がうねっているイメージです」。


大きな物語のうねりの中でさまざまな表情を求められる役者たち。「音程ひとつにも役の光と影の心情が完璧に表現されている」シェーンベルクの音楽など魅力は尽きないが、最大の見どころはバルジャンの不完全さにあると見る。「誰もがバルジャンの人生を疑似体験しているんじゃないかな。彼の人生に自分の人生を照らし合わせることで、自分自身も正しくあろうとか、変わろうとする。

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