歌のDNAを受け継ぐ注目のヴァイオリニスト。北欧の名門と共演
アラベラ・美歩・シュタインバッハー
首席指揮者ファビオ・ルイージとともに来日中の北欧の名門デンマーク国立交響楽団による「東芝グランドコンサート2019」。ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番を弾くアラベラ・美歩・シュタインバッハーに話を聞いた。
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作品は、ヴァイオリニストなら誰もが幼い頃から学ぶ、このジャンルの定番曲だ。「たくさんの思い出の詰まった、人生をともに歩んできたような曲です」
初めて弾いたのは11歳の時。第2楽章で彼女がソロを聴こうと会場が静寂に包まれた瞬間、会場の教会の鐘が鳴った。「だから今でも、そこで耳の中に鐘が響きます(笑)」
バイエルン国立歌劇場のコレペティートルだった父と、日本人声楽家の母との間にミュンヘンで生まれた。指揮者ファビオ・ルイージは父の劇場ピアニスト仲間として、彼女がまだ14歳の頃から顔見知りだった。「当時からとてもあたたかくてチャーミングな方でした。
父は亡くなったけれど、自分の家族を知っている人とツアーをするのは格別なこと。とてもいい友情だと思っています」
彼の指揮者としての魅力は、その豊富なオペラ経験にあるという。「父もよく、歌手は自由に歌うので、伴奏が難しいと言っていました。